明大 森下 病み上がりも159球完投 ドラ1指名の広島スカウト部長「カープ向き」

[ 2019年10月21日 05:30 ]

東京六大学野球第6週第2日   明大1―2慶大 ( 2019年10月20日    神宮 )

<慶大・明大>159球を投げぬいた明大・森下(撮影・島崎忠彦)
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 2回戦2試合が行われ、広島からドラフト1位指名された明大・森下暢仁投手(4年)が慶大戦に先発した。17日のドラフト会議後初めての登板で最速153キロをマーク。2失点で完投したが、最後はサヨナラ負けを喫した。慶大は開幕から8連勝で勝ち点を4に伸ばした。

 魂の完投だった。ドラフト後の初マウンド。森下は初回2死一、三塁とされたが、5番・正木をこの日の最速153キロ直球で空振り三振を奪った。1―1の9回、橋本典にサヨナラ打を浴び「負けてしまえば関係ない。勝てていないことが全て」と反省が口を突いたが絶不調の中でも159球を投げ抜いた。

 ドラフト2日前の15日にへんとうが腫れ、40度近くの高熱を出した。それでも「学生最後の野球が近づいている。勝ちにこだわりたい」と登板を志願し、2戦目に先発した。初回からボールが高めに浮いたが、持ち前の修正力を発揮。ソフトバンクに5位で指名された3番・柳町を4打数無安打2三振、中日4位指名の4番・郡司も3打数1安打1三振に抑えた。慶大に8連勝を許すも11三振を奪い、意地を見せた。

 視察した広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「本当に風邪をひいていたのかって投げっぷり。気合がカープ向きだな」と改めてほれ直した。広島は今季、4連覇を逃した。V奪回を目指す来季に向け、即戦力としての期待は大きく「1年目から10勝する力はある」と太鼓判を押した。

 最後のリーグ戦で優勝を逃した森下は「取り組みが甘い4年間だった。プロでは開幕から準備して、こういう結果にならないように」と言った。26、27日に行われる立大戦が学生最後の試合となる。白星で飾り、プロ入りする。 (武田 勇美)

 ◆森下 暢仁(もりした・まさと)1997年(平9)8月25日生まれ、大分県出身の22歳。小3から野球を始め、大東中軟式野球部では全国大会出場。大分商では1年夏に甲子園出場。2年秋からエースで3年夏は大分大会準優勝で高校日本代表に選出。明大では1年春からリーグ戦に登板し、15勝12敗。2年から大学日本代表。優勝した4年の大学選手権でMVP。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

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