“元祖怪童”中西太氏、ヤクルト村上にエール「わしの36本も抜け!」

[ 2019年8月28日 07:46 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―5DeNA ( 2019年8月27日    横浜 )

中西太氏
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 村上の打点で66年前の私の記録が引き合いに出されるとは思ってもみなかった。記録といってもあの昔と今じゃ、野球も道具もずいぶん違っている。比較にならんだろう。寂しくなんかないさ。いずれ誰かが抜いていく。

 村上には打点だけじゃなく、2年目のわしの本塁打(36本)を抜け!と言いたい。私の場合はプロ2年目を迎えるにあたって打撃フォームを大改造した。1年目は新人王は獲らせてもらったが、本塁打は12本だった。バットを水平に寝かせて構える「早稲田式」と呼ばれる打法で安打量産型のフォームだった。それをバットのヘッドを立てて構え、下半身と連動して振り切るスイングに変えた。その成果が本塁打36本、3倍だよ。打点も65から86、3割も打てた。

 村上のこともよく知っている。(球場で会ったときに)手を見せてみろと言って見たら、凄いマメとタコができていたよ。努力は、手のひらを見れば分かる。大きな体のわりには柔軟性がある。反対方向にも本塁打が打てる。広角に打てるというのは強みだね。三振が多いと指摘する声を耳にするが、それは経験が足りないから。打てそうな球を選んだ一振りで仕留める。そうなってもらいたい。

 ○…高卒2年目、19歳の村上(ヤ)が31号。高卒2年目以内では53年中西太(西鉄=2年目、20歳)の36本塁打に次ぎ、86年清原和博(西=1年目、19歳)に並ぶ2位タイで、清原に並ぶ10代の最多本塁打記録になった。また、打点も86とし、前記中西が53年にマークした高卒2年目以内の最多打点記録に66年ぶりに並んだ。なお、今月は11本目のアーチ。ヤクルトで月間11本塁打以上は、17年7月のバレンティン(11本)以来10人で16度目。うち、日本人では岩村明憲が04年6、8月に各11本、06年8月に12本打って以来2人目だ。

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2019年8月28日のニュース