巨人・上原 若手に授けた金言の数々「新人王を狙え」「ごちゃごちゃ考えるな」

[ 2019年5月22日 11:00 ]

思い出を語る上原(撮影・尾崎 有希)
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 巨人・上原浩治投手(44)が、21年間の現役生活に終止符を打った。今季の1軍登板はなかったが、それでも間違いなくチームにとって貴重な存在だった。2軍で汗を流す日々の中で、若手に多くの金言を授けていた。

 「新人王を狙っていけよ」。ドラフト1位・高橋にかけた言葉だ。自身はルーキーイヤーの1999年に20勝を挙げ、新人王を獲得。同年に2歳だった高橋は「自分なんかからしたら、凄く偉大な方。記録もそうですし、野球に対する姿勢もそうですし、追っていく選手だと思います」と尊敬のまなざしを向ける。上原氏の期待に応えるようにここまで6試合に先発し、3勝1敗、防御率1・98と好結果を残している。まだまだシーズンは長いが、新人王を十分に狙える位置にいる。

 高橋は、両親と年齢が近い大先輩を間近で見て「その年になって自分が野球をやれているかといったら、なかなか想像もつかない。そういった年代でもプレーできるのは、若い時にずっと努力してきたからだと思う。自分も、もっと努力してそういう選手になりたい」と息の長いプロ野球選手を目指す決意を固くした。44歳の右腕からは「夏場はしんどくなると思うけど、頑張ってほしい」とエールを送られた。

 「とことん考えるタイプ」と自己分析する3年目右腕・高田も上原氏から助言をもらった一人だ。春季キャンプ後半に2軍降格。上半身と下半身のバランスや腕の振り、変化球の握りなど様々なチェックポイントが頭の中をめぐり、整理できないまま投げていた。

 そんな時、「ごちゃごちゃ考えるな。悩んでるのがフォームに出てる」と指摘された。それからは「なるべく考えないようにしました。特に試合中は」と高田。シンプルな思考で、強みである力強い直球をもう一度磨こうと決意した。

 3年目左腕の大江は「肩をつくるタイミングが凄く上手だと感じました。無駄な球がない」と感服。上原氏から「キャッチボールの時からコントロールを意識した方がいいよ」とアドバイスをもらい、キャッチボールへの意識が変わったという。

 高橋は22歳、高田と大江は20歳。44歳の魂は巨人の未来を背負う若武者に受け継がれていく。(記者コラム・岡村 幸治)

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