中日・松坂、右肩違和感でノースロー調整 ファンに右腕引っ張られ… 

[ 2019年2月12日 05:30 ]

練習前、阿波野投手コーチ(右)と話す松坂(撮影・後藤 大輝) 
Photo By スポニチ

 中日は11日、松坂大輔投手(38)が右肩の違和感のため、当面はノースロー調整になると発表した。数日前にファンと接触した際に右腕を引かれたことが原因。今キャンプは一度もブルペン投球をしておらず、調整が遅れることは必至。まさかのアクシデントで開幕ローテーション入りに暗雲が立ちこめた。

 松坂は本球場で他の投手陣がキャッチボールを始める中、与田監督、阿波野投手コーチと話し合った後、ボールを握ることはなく、ダッシュ、ランニング、打撃をこなし、無言で球場を後にした。

 複数の球団関係者の話を総合すると、松坂がファンに右腕を引かれたのは第1クール、米国永住権(グリーンカード)の更新手続きで沖縄を離れた4日までの間。ブルペン横にある投手陣のロッカーからメイン球場へ戻る通路で右腕を引かれたとみられる。

 本人と話し合いの上でノースローとする方針を決めた与田監督は「袖を引っ張られるだけで手を持っていかれることもある。不慮の事故。本人の中でも、うまく治るんじゃないか、痛みが消えるんじゃないかと、数日間、悩んだと思う」と話した。沖縄に戻ってきた8日から10日まではキャッチボールを行っていたが、右肩の違和感は消えなかった。

 松坂はソフトバンク時代の15年8月に痛めていた右肩を手術。中日に入団した昨季も6勝を挙げ復活を果たしたが、中10日前後の登板間隔を空けるなど、最大限の注意を払ってきた。食事の際にも右肘や右肩を冷やさないようサポーターを巻くなど注意していた。「時間の許す限りは極力ファンの方々の思いに応えたい」とし、サイン会も精力的に実施するなど、ファンを何より大切にしてきた。その右腕に、ファンによる想定外のアクシデントが起きてしまった。

 与田監督は松坂の今後について「これまで診てもらった病院で診てもらうことになる」と説明。12日にも病院で検査を受ける。その結果次第では、ノースロー期間は延びる。指揮官は「(周囲からは調整が)遅れるという見方をされる」とした上で「開幕から全ての選手が1軍に入れる能力になるというのはあり得ない。慌てさせることはプラスにならない」と語った。

 もともとスロー調整方針で、ここまでブルペン投球も行っていない。右腕の開幕ローテーション入りは厳しい状況となった。(徳原 麗奈)

 【ファンとのトラブル】

 ▼ピンポン攻撃 99年横浜(現DeNA)の春季キャンプ中に、佐々木主浩が宿舎自室で連夜のインターホン攻撃にさらされた。フロアに部屋割り表が置かれていたが、それを見たファンが訪問し、サイン要求。

 ▼甲子園でも 03年3月22日のセンバツ開会式後、東北2年のダルビッシュがファンに握手を求められた際、右腕を引っ張られ右脇腹痛を発症。後に右棘下筋(きょっかきん)痛で全治2週間と診断された。

 ▼水かけ サッカーの98年W杯フランス大会で日本代表が3戦全敗を喫して成田空港に帰国した際、サポーターがFW城彰二にペットボトルを投げつけた。口が開いたペットボトルから中身が漏れた。

 ▼発煙筒 17年6月、欅坂46の握手会が千葉・幕張メッセで行われ、24歳の無職の男が手荷物置き場で発煙筒に点火した。男は果物ナイフを所持していた。

 【松坂の経過】

 ▼1月30日 沖縄・北谷での合同自主トレに合流。最長50メートルのキャッチボール。練習後に即席のサイン会。

 ▼2月2日 約300人を相手に約1時間半のサイン会を開催。

 ▼同4日 練習後に、グリーンカード取得手続きのため東京へ。翌5日に渡米。

 ▼同8日 グリーンカード取得手続きのための1泊3日の弾丸渡米を経てチームに再合流。キャッチボールなどをこなし、ファンへのサインにも応じる。

 ▼同9日 サインの転売が話題になる中でも「僕が意識しても仕方のないこと」と、約25分間のサイン会も行った。

続きを表示

2019年2月12日のニュース