ソフトB明石 千金同点弾 15年目通算10発伏兵「奇跡です!」

[ 2018年11月2日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2018第5戦   ソフトバンク5―4広島 ( 2018年11月1日    ヤフオクD )

<ソ・広>7回1死、明石は右越えに同点ソロを放つ(撮影・三島 英忠)
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 打った本人が、一番驚いていた。無理もない。プロ15年間で通算10本塁打のソフトバンク・明石は言った。

 「奇跡です!」

 3―4の7回1死。左腕・フランスアのスライダーを強振した打球は右翼席へ。日本シリーズでは15年の第3戦以来の一発に「いい感じで打てた。打った瞬間、行くと思った。うまく対応できた」と貴重な同点弾に相好を崩した。

 フランスアとは10月28日の第2戦で対戦していた。9球連続直球が続き、四球を選んでいた。4日後の対戦。狙い球は「直球かスライダー」だった。初球は直球で、そこからスライダーが2球続いた。直球を3連続ファウルで迎えた7球目。136キロスライダーに「山が見えた」と言った。両球種を打席で見て、リリースした際に球が浮き上がる軌道ならスライダーとインプットしていた。15年目のベテランらしい一打だった。

 今季は苦難の一年だった。春季キャンプ中に腰を痛め、自力歩行ができなくなって入院。数日間、病院のベッドで過ごした。筋肉が落ち、ユニホームのズボンがブカブカになっていた。「もう、あんな思いはしたくない」とケアにも時間を割いた。柔軟体操も念入りに行うようになった。

 工藤監督は「諦めない思いがホームランにつながった」と称えると、藤本打撃コーチも「効果的なホームランだった。明石は元々、(投手の)右左は関係ないからね」と目を細めた。

 チームは2年連続日本一に王手をかけた。明石は「勢いがあるし、チャンスだと思う。ここまで来たら決めたい」と力を込めた。今シーズンは1本塁打だった守備の職人。大砲ぞろいのチームで、脇役の一振りがチームを救った。 (川島 毅洋)

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