巨人 36歳内海、連敗止めた!最下位危機救った!6回2失点2勝目

[ 2018年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―2中日 ( 2018年6月30日    ナゴヤD )

<中・巨>力投する巨人先発・内海は6回2失点で51日ぶり今季2勝目を挙げる(撮影・椎名 航)
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 巨人の内海哲也投手(36)が30日の中日戦に先発し、6回を2安打2失点に抑える好投。5月10日の阪神戦以来51日ぶりに挙げた今季2勝目は、プロ通算130勝目となった。中日戦の白星は13年以来5年ぶり。約2週間ぶりに先発したベテラン左腕が、負ければ6連敗で最下位に転落していたチームの窮地を救った。

 精神的に一回り強くなっていた。4―0の5回。内海は1点を返され、なお無死一、三塁から投ゴロで一塁に送球し、三塁走者に生還された。すぐに冷静さを取り戻す。大野奨を空振り三振。代打・木下拓には内角直球で三飛に打ち取った。

 「気持ちよかった。右打者も左打者にもインコースを突けた。これが(勝てた)要因」

 直球の最速は138キロだが、コースを突く制球力がある。象徴的だったのは初回2死。3番アルモンテに対し、1ストライクから2球続けて内角へ直球。腰が引けた相手に、最後は外角低めのチェンジアップで遊ゴロに抑えた。4回まで完全投球。高橋監督は「粘り強く、持ち味を出してくれた」と称賛した。

 一冊の本との出合いが、内海を強くさせた。今春、知人の薦めで初めて自己啓発本を手にした。「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)。「ためになることだらけです。精神的にも強くなったと思う。ちょっとやそっとじゃ、何も思わなくなりましたから」。平昌五輪のジャンプ女子日本代表の高梨沙羅が、極度のスランプに陥っていた大会前に愛読し、銅メダルを獲得したことで知られている。

 11、12年と2年連続最多勝も昔の話。キャンプ2軍スタートの今季は、1軍初登板が5月10日までなかった。若手に交じり、2軍で泥だらけになった。光の見えない日々に、心が折れそうなときもある。そんなとき、愛読書が気持ちを前向きにしてくれた。左肩の不調で3軍調整中の先輩・杉内からは「過去の栄光は生ゴミと一緒。すがっていてはダメ」と助言も授かった。「投げられる幸せを感じながら投げた」と内海。気持ちでつかんだ白星だった。(川手 達矢)

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