3番坂本V撃から巨人クリーンアップ3連続打点 長野、阿部続いた

[ 2016年7月6日 05:30 ]

<巨・神>6回1死一、二塁、坂本は阪神先発メッセンジャー強襲の先制打を放つ

セ・リーグ 巨人3―2阪神

(7月5日 東京D)
 強烈な打球に執念が乗った。巨人・坂本が149キロを一閃(いっせん)。ライナーがメッセンジャーのグラブをはじき二塁カバーに動いた二塁手・上本の逆を突き右前へ転がった。6回1死一、二塁からの先制打は、貴重な決勝点になった。

 「捕られるかなと思ったけど、いい方向に飛んでくれたのでホッとした。ラッキーな形。点が入ればどんな形でもいい。素直にうれしかった」

 5回まで2安打10三振と苦しんだ右腕からの3得点の口火になった。「勇人が還してくれたので、楽な気持ちで打席に入れた」と4番・長野が右犠飛。「チョーさん(長野)が必死で犠牲フライを打ったし、何とか点が入って良かった」と5番・阿部も右前適時打で続いた。5月31日から不動のクリーンアップがそろって打点を挙げたのは、6月19日のロッテ戦(東京ドーム)以来2度目だ。

 「それぞれがその場面に応じたバッティングをしてくれた。いい形で攻撃ができた」と高橋監督。指揮官も6回の攻撃でヒットエンドランや、橋本到へのセーフティーバント、坂本への二盗のサインと揺さぶりをかけ苦境を打破。ベンチとナインが一体で、8カードぶりのカード初戦白星で連敗を3で止めた。

 「僕たち3人がもっと打って盛り上げていけるように。監督もそう期待されていると思う。先頭に立って打って、引っ張っていきたい」。坂本はお立ち台で言った。今季、主将らしい言葉が自然と口を突くようになった。7連敗の最中だった5月27日からの阪神3連戦。指揮官に東京ドームの監督室に呼ばれたことがあった。「今年初めてでした。キャプテンとしての心構えとか。そういう話をしました」。1対1の会話。期待と責任を一層、感じた。チーム状況にかかわらず「先頭で引っ張る」自覚を体現した一打だった。

 3位浮上もまだ、これから。「1、2、3(番)もそうだし3、4、5(番)もつながっていけば、もっと点が入る。そういう気持ちでやっていく」。3番をどちらにも含んだ言葉に、坂本の覚悟が見えた。(春川 英樹)

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