DeNA山口 今季最多3度目完封 秘密兵器はイチ流スパイク

[ 2016年7月6日 05:45 ]

<D・ヤ>6勝目を完封で飾った山口(左)は捕手・高城と喜び合う

セ・リーグ DeNA4―0ヤクルト

(7月5日 東京D)
 9回2死一塁。DeNA・山口は123球目を投じた。バレンティンをスプリットで空振り三振に仕留めると、右拳を握りグラブを叩いた。散発3安打で9奪三振。両リーグ今季最多となる3度目の完封は、球団では07年の三浦以来だ。

 「9連戦の初戦を任されたので、何が何でも獲りにいこうと思った。リリーフ陣を休ませることができてよかった」

 ギアを上げたのは1―0の4回だ。1死二塁で絶好調の4番・山田を迎えた。3ボール1ストライクからの5球目、外角のスプリットで遊ゴロに打ち取った。「インコースに攻められたのが効いた」。直前の4球目はボールとなったが、大胆に内角高めへ直球を投げ込んだことで決め球が生きた。「一番当たっている打者。そこを抑えることで流れを持っていけた」と振り返った。

 今季から取り入れた秘密兵器がある。メジャー通算3000安打が目前のマーリンズのイチローと同じ「ビモロスパイク」だ。昨オフに初めて自主トレを行った鳥取市のトレーニング研究施設「ワールドウィング」の小山裕史代表(59)が設計したもので、試し履きして着用を即断した。一般的なスパイクの歯は6本や9本なのに対して、ビモロスパイクは13本。「無意識にバランスが取れていて、投球に集中できる」という。“イチ流スパイク”が体重100キロの体を支えている。

 前日には球宴で指揮を執るヤクルト・真中監督が地元・横浜で行われる16日の第2戦で山口を先発起用する考えを明かした。まさに御礼の快投。お立ち台では完封勝利のお決まりのせりふ「ちょー気持ちいい~!」が飛び出した。「これからも完封したら言いますよ。(本家の)北島さんから僕のものにしようかな」。右腕はいつになく冗舌だった。 (中村 文香)

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