宮台 東大投手11年ぶり完封!最速タイ145キロ、プロか公務員志望

[ 2016年5月8日 05:30 ]

<立大・東大>立大相手に完封勝利の東大・宮台

東京六大学野球第5週第1日 東大4―0立大

(5月7日 神宮)
 ついに無失点で勝った。東大のエース左腕・宮台康平投手(3年)が7日、東京六大学春季リーグ戦で立大を5安打に抑え、今季リーグ戦初勝利を初完封で飾った。直球は自己最速タイの145キロを計測し、8奪三振。チームを08年秋以来15季ぶりのシーズン2勝へと導いた。東大投手の完封は、05年秋の早大戦で松岡勇佑投手が記録して以来11年ぶりだった。先勝した東大は、8日の2回戦で02年秋以来となる勝ち点奪取に臨む。

 自己最多の141球を投げても、最後までフォームは崩れなかった。4―0の9回2死一、三塁。宮台は完封目前で最大のピンチを迎えたが、140キロ直球で遊飛に抑えた。こん身のガッツポーズ。東大投手では11年ぶりとなる完封勝利だ。

 「とてもうれしい。完封を目標にやってきた。ようやく勝てました」。早大と明大との1回戦では、1失点完投ながら0―0の9回にサヨナラ負け。明大2回戦でのサヨナラ勝ちは登板していなかった。昨秋以来のリーグ戦2勝目。「三度目の正直」で達成した完封に「きつかったけれど今日で報われた」と笑った。

 6回5失点と崩れた4月30日の慶大1回戦。蓄積疲労から体の開きが早くなり、球がシュート回転して甘く入った球を痛打された。この日まで早大との開幕戦の映像を繰り返し見た。「チェックポイントは体の開きが早いかどうか。早大戦の良いイメージを刷り込むように練習した」。良いフォームで投げれば体への負担も最小限で済む。

 さらに、この日は攻守交代時にベンチで休まなかった。すぐにベンチ前でキャッチボールを行い、フォームを確認。「今日は1回ごとに修正したのが良かった」。6回には中軸から3者連続の空振り三振を奪い、尻上がりに調子を上げた。自己最速タイの145キロ。9回でも142キロを計測し、8三振を奪った。

 湘南(神奈川)時代に3番を任され、通算10本塁打を放ったバットでも、野手顔負けの強打を見せた。1―0で迎えた7回に右中間適時二塁打を放つなど3安打の大暴れを見せ、「バッティング好きなので」と笑った。

 野手陣の支えも大きかった。女房役の喜入(きいれ)は、立大打線を夜中まで研究。宮台は試合中に何度もジェスチャーでフォームの確認を要求され「3戦目のつもりで出し切れ」と鼓舞された。遊撃手の山田の好守にも助けられ「今日は全員でつかんだ1勝。野手に助けてもらって感謝しています」と頭を下げた。

 来秋ドラフト候補としても注目が集まる3年生左腕。視察した広島の高山健一スカウトは「手元で伸びる真っすぐが素晴らしい」と絶賛し「進路はどうするんだろう」と心配した。当の本人は「先のことは考えていない」と明言を避けているが、プロか公務員志望だ。

 「僕らは勝ち点にチャレンジしている。まだ通過点。もちろん(1勝1敗となった場合の3回戦に向け)準備します」と引き締めた。宮台の視線の先にあるのは、02年秋以来27季ぶりとなる勝ち点だ。 (松井 いつき)

 ◆宮台 康平(みやだい・こうへい)1995年(平7)7月1日、神奈川県生まれの20歳。小3から野球を始め、戸塚中では軟式野球部。湘南3年春は背番号7ながら投手としても登板して神奈川県大会8強。3年夏は背番号1で神奈川大会3回戦で敗退した。東大1年秋にリーグ戦初登板。2年秋の法大1回戦でリーグ戦初勝利。通算20試合で2勝6敗、防御率2・60。1メートル78、83キロ。左投げ左打ち。

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