ソフトBようやく目覚めた?今季初の連勝 今宮、小技で大仕事

[ 2016年4月11日 09:07 ]

<ソ・オ>6回1死一、三塁、中犠飛を放つ今宮

パ・リーグ ソフトバンク10-0オリックス

(4月10日 熊本)
 ようやく王者のお目覚めだ。ソフトバンクは10日、オリックス戦で2戦連続2桁得点となる10―0で大勝。今季初の2連勝を飾った。今宮健太内野手(24)が2打席連続犠飛を記録するなど4盗塁を絡めた隙のない攻撃で得点を積み重ね、開幕から13試合連続で計20個の四球を選んでいる柳田悠岐外野手(27)も適時打を含む10試合ぶりのマルチ安打で明るい兆しが見えてきた。

 鹿児島ではド派手に3本塁打の花火を打ち上げたが、熊本での「3発」は地味な犠飛だった。それでも得点は得点。大技の次は小技を絡めた隙のない攻撃を披露し、4戦連続2桁安打で2戦連続2桁得点。上機嫌の工藤監督は今季初連勝を呼び込んだ2人を称えた。

 「よくできたと思う。(初回1死)今宮君が打って、その後に柳田君が打って(つないで)くれたのは大きかった」

 指揮官が勝利の一因に挙げたのは初回の攻撃。2番・今宮、3番・柳田の連打、さらに柳田の二盗で1死二、三塁。すかさず内川の右犠飛で先制点を奪う。5回の追加点も2、3番コンビ。1死一、三塁で今宮は2ボールからバントのしぐさで一塁走者・福田の盗塁を助ける「偽装スクイズ」を成功させ、二、三塁から左犠飛。2死二塁で柳田が「ほんまに必死に食らいつきました」と左翼線に適時二塁打を放った。

 3点を加えた6回1死一、三塁でも、今宮が中堅へ2打席連続の犠飛を打ち上げる。チーム1試合3犠飛は、ダイエー時代の03年7月22日の日本ハム戦(福岡ドーム)以来、実に13年ぶり。2番打者の勢いは止まらず、7回2死二、三塁では右前へ2点適時打。13年8月31日の楽天戦(ヤフオクドーム)で記録した自己最多の1試合4打点に並んだ今宮は「去年とは違うところを見せたい。先輩たちがつないでくれたところでしっかり打てている」と胸を張った。

 昨季は両リーグ最多の141本塁打を放った重量打線だが、李大浩(イデホ)(マリナーズ)が抜け、昨季トリプルスリーを達成した柳田へのマークは格段に厳しくなった。この日の2四球を合わせ、開幕から13試合で選んだ四球は計20個。まともに勝負してもらえない中、ストレスは最高潮に達していた。それでも、今宮がチーム2位の9打点と好調なことで、「負けている時は自分が打たないとと思っていたけど、今は四球でも安打でも一緒だと思っている」と腐ることはない。帰り際、少年ファンから「40発頑張ってください」と言われ、「いや、無理」と苦笑いしながらも、最後は「ありがとう」と手を振った。

 パ・リーグ5球団と最初の顔合わせを終えて借金1。最後に今宮は言った。「ファンの皆さまも心配していたところがあったと思うけど、ホークスはやっぱり強いと思う」――。本領発揮はここからだ。(福浦 健太郎)

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2016年4月11日のニュース