茂木 「末恐ろしい投手」大谷撃ち決勝打 楽天首位再浮上

[ 2016年4月11日 09:00 ]

<楽・日34回1死三塁 茂木は大谷から中前適時打を放つ

パ・リーグ 楽天1-0日本ハム

(4月10日 コボスタ宮城)
 打席より緊張していた。日本ハムの大谷から決勝打を放って上がった本拠地初のお立ち台。たどたどしくインタビューを終えた楽天・茂木は、最後は街頭演説する政治家のように両手でマイクを握って声を張り上げた。

 「皆さん、応援ありがとうございました!また、温かい声援をよろしくお願いします!」

 球界を代表する右腕から2度も快音を響かせた。2回1死の初対戦では148キロの直球を中前打。そして4回1死三塁では初球の136キロのフォークを中前適時打し、この1点で大谷に黒星をつけた。1学年下の右腕を「末恐ろしい投手」と称えた一方で「しっかり準備して甘い球を打てた」と手応えも語った。

 早大からドラフト3位で入団し、開幕から「6番・遊撃」で先発出場を続ける。プロでも打撃が通用している理由の一つが特殊なバットだ。現在は重さ800グラム台が主流だが、910グラムもある通称「直角ヘッド」を大学3年から使用。重心が先端寄りにあり、先端部分を丸めたり、くりぬいたりしないため操作性は難しい。1メートル71、75キロと決して大きくない体で同バットを使用する理由は「力任せに打たないため」。この日も反発力が高い「相棒」をコンパクトに振り、難敵を攻略した。

 チームは3連戦に勝ち越し、西武が敗れたため、再び単独首位に躍り出た。茂木の殊勲打で05年の球団創設から12年目で通算700勝を達成。梨田監督は「いい投手から、いとも簡単に打ったね」と目を細めた。

 趣味は「野球」。真面目で礼儀正しく、この試合でも2回に二塁打を放った中田に対し、遊撃のポジションからサングラスを外して一礼した。「一日一日、一球一球を必死にプレーしてます」と茂木。22歳が、首位を走るチームの原動力だ。(山田 忠範)

 ≪新人V打1―0勝ちは2度目≫楽天はルーキー茂木の適時打のみの1―0で勝利。楽天が新人打者の決勝打により1―0で勝ったのは、12年8月26日の日本ハム戦で延長10回に岡島の三塁内野安打でサヨナラ勝ちして以来2度目。

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