【ソフトバンク】帆足“魔球”パームボールで築いた90勝

[ 2015年12月26日 09:53 ]

ナインに胴上げされる帆足

 プロ野球選手になるつもりはなかった。帆足は三井高(福岡)から就職した九州三菱自動車時代をこう、振り返る。

 「野球だけやっていればプロ野球選手になりたいとは思わなかった。仕事が大変だったのでプロを目指そうと…」。午前7時に起床し、午前中は練習。午後2時に始業の仕事は午後11時近くになることもあった。野球に専念できる仕事を探そう。それがプロ。西武で先発投手として活躍した。

 「福岡で野球人生を終わりたかった」。11年オフに地元ソフトバンクにFA移籍し、念願がかなう。今季は日本一連覇した先発陣の層が厚く、1勝に終わった。先発機会はわずか3度。今季限りでユニホームを脱ぐ左腕に西武時代からの同僚・松坂は現役続行を強く勧めた。同じく西武時代の同僚・中島(オリックス)も引退会見当日まで「本当に辞めるの」と食い下がった。余力を残しての引き際に見えたが、36歳は地元で野球人生を終えた。初志貫徹だった。

 フォークは手が小さく投げられない。武器にしたのはパームボールだった。特殊球を武器にプロ通算90勝。「一ファンとしてホークスを応援する」と、来季からは打撃投手を務める。打ちにくい球から打ちやすい球へ。これからは正反対の道を歩む。 (福浦 健太郎)

 ◆帆足 和幸投手(ほあし・かずゆき)36歳、15年目。三井―九州三菱自動車―西武。00年ドラフト3位。

 ▼通算 267試合、90勝65敗1セーブ、防御率3・90。

 最高年俸1億1000万円(11~13年)

 ▼思い出 大好きな福岡、ヤフオクドームで野球をさせてもらった。

 ▼再出発 ソフトバンク打撃投手。

続きを表示

この記事のフォト

2015年12月26日のニュース