千賀、宝刀「お化けフォーク」で2回完全“リベンジ”

[ 2015年10月29日 05:30 ]

<ヤ・ソ>ソフトバンク3番手の千賀

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク6―4ヤクルト

(10月28日 神宮)
 雪辱のチャンスはすぐに巡ってきた。第3戦で山田に逆転2ランを浴びたソフトバンクの千賀が、6―4の7回から2戦連続の救援。2回完全投球を見せ「きのう(27日)は悔しかったので、どうにか0点で抑えたかった。うまくいって良かった」と晴れやかな笑みを浮かべた。

 先頭の畠山にいきなり3ボールとしたが、落ち着いてフルカウントから遊ゴロに打ち取ると、その後も危なげない投球。1メートル86の長身から投げ下ろす最速152キロの直球と、消えるほど鋭いことから「お化けフォーク」と呼ばれる宝刀でヤクルトの反撃ムードを鎮めた。

 今季は先発で2勝を挙げ、CSファイナルSでは中継ぎの切り札として2試合3回2/3を無失点。CS全勝突破に貢献し、日本シリーズを迎えたが、第3戦で悪夢が待っていた。4―3の5回2死一塁から2番手で登板すると、山田にシリーズ史上初となる1試合3発目の2ランを浴びた。1軍では実に2年ぶりの被弾。チームも逆転負けを喫し、試合後は報道陣の問いかけにも無言で引き揚げた。

 短期決戦で落ち込んでいる暇はなかった。脳裏に浮かんだのは3年目の13年シーズン。中継ぎで27戦連続無失点を記録した直後、6月26日の日本ハム戦(東京ドーム)から4試合連続で救援に失敗し敗戦投手になった。「自分は4連敗を経験しているので、それに比べればって感じ」と切り替え、この日の好救援につなげた。

 工藤監督は「マウンドで結果を出すしかない中でよく投げてくれた」と目を細めた。「とにかく投げて、どうにかやっていけたら」と話す22歳が、シリーズの流れを再びソフトバンクに引き寄せた。 (渡辺 剛太)

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2015年10月29日のニュース