走者出さないヤク・バーネット 大変身の12球団一WHIP0・67

[ 2015年5月12日 09:04 ]

ヤクルトのバーネット

 メジャーの選手評価方法として知られるセイバーメトリクス。今回は投手の安定感の指標となるWHIPで、救援投手を分析する。

 WHIP(Walks plus Hits per Innings Pitched)とは被安打と与四球の合計を投球回で割ったもの。つまり、1イニングの許走者数を表しており、数値が低いほど安定感があることになる。その数値の目安を探るため、過去50年間に救援でシーズン50イニング以上(先発兼任者は救援成績のみ抽出)を投げた延べ1396投手を調べると、平均値は1・19となった。この前後が標準的となり、全体の17%で244人しかいない1・00以下が好成績に分類できるだろう。そのうち、究極とも言えるのが66年若生忠男(西鉄)の0・60を筆頭に、02年豊田清(西=0・61)、08年藤川球児(神=0・69)、97年佐々木主浩(横=0・70)と0・70以下に抑えた4人の数値だ。

 これらを踏まえ今季10イニング以上の両リーグ救援投手61人をふるいにかけると1・00以下は18人。その頂点は0・67のバーネット(ヤ)で、パの1位は0・76の増田(西)だ。驚くべきはバーネットの変身ぶり。昨季までは通算1・36と不安定だったが、好調なヤクルト救援陣の大黒柱として抜群の成績を維持している。

 セ3位の0・79と奮闘する新人の山崎康(D)にも注目したい。初登板から10試合目までは1・16だったが、以後10試合は0・40の快投で現在の数値までアップ。4月22日の阪神戦からは11試合連続無四球と、登板ごとに安定感が増している。そこで気になるのは、新人救援投手の記録。ドラフト制以降、50イニング以上では70年佐藤道郎(南海)の0・83が最も低かった。いまや欠かせぬ若き守護神が悲願のVと記録更新に挑戦する。

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