捕手・阿部でも4連敗 「99%ない」はずが…開幕7戦目の禁じ手不発

[ 2015年4月4日 05:30 ]

<巨・神>4回、さえない表情でマウンドに集まる阿部(左)ら巨人ナイン

セ・リーグ 巨人2―4阪神

(4月3日 東京D)
 巨人・阿部の「男気」は結果につながらなかった。昨季までの定位置、捕手に戻って躍動した。打っては今季2度目のマルチ安打を記録。守備では初回に二盗を試みた西岡を素早い送球で刺し、8回はスクイズを外して三塁走者を挟殺した。それでもチームは4連敗。阿部は「勝てなかったのが残念。何とか連敗を止めようと思ったんだけど」と悔しがった。

 前夜の中日戦(ナゴヤドーム)でベテラン捕手の相川が右大腿二頭筋を肉離れ。全治4~6週間と診断された。低調なチーム状況もあって、阿部は試合後に原監督に「相川さんがいなくなってチームにとって痛手なので、キャッチャーでいきます!」と伝えた。一塁転向を決めた昨オフから「99%ない」と言い続けてきた指揮官もここで捕手復帰を決断。残り1%に値する非常事態だった。

 今春キャンプで阿部の捕手としての練習は数回ブルペンで球を受けた程度だが、慣れ親しんだポジションだけに不安は見せなかった。「チームの中で緊急事態。慎之助と話をしてこういう形になった」と原監督は話した。相川が戻るまで1カ月以上はかかる見通しだ。それまでの期間限定か、の問いには「基本的にはそうです。そこの部分が元の形になればそこでもう一回話をしようと」と説明した。

 この試合まで巨人―阪神の伝統の一戦は巨人の通算999勝777敗。プロ野球史上初の同一カード通算1000勝に王手をかけて迎えた。長嶋茂雄終身名誉監督も観戦に訪れた中で借金3となり、最下位から抜け出せなかった。4回の無死満塁では1点しか奪えず、29イニング連続で適時打は出ていない。原監督も「一本スカッとしたものが出てくれるとチームに勢いが付くと思う」とした。

 開幕ダッシュでつまずいた「非常事態」への次なる一手としては、大竹が2軍降格となった先発ローテーションを、7日からの広島3連戦(マツダ)以降は当面、中5日で回す方針が濃厚だ。阿部が扇の要に収まった光景を、原監督は「安心感というか、チーム全体に落ち着きはあると思う」と評価。阿部がフル回転して、非常事態を支える。

 ▼巨人白石興二郎オーナー(68) (阿部捕手は)いろいろ監督が考えているんじゃないか?きょうは負けちゃったけどこういう日もある。一巡してみないと分からない。(原監督に)全幅の信頼を置いて監督に任せている。

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