阪神・呉昇桓 激ヤセ一転今年は筋肉仏、史上初来日2年連続S王だ

[ 2015年1月14日 05:30 ]

自主トレに励む呉昇桓

 阪神の呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)が13日、グアムでの自主トレーニングを公開し、球速&球威を上げるためハードなウエートトレで体重増に取り組んでいることを明かした。自慢の「石直球」に磨きをかけた「超石直球」で2005年以来のリーグ優勝に導くと同時に、助っ人投手では史上初となる来日1年目から2年連続となる最多セーブのタイトル獲得を目指す。

 丸太のように膨れあがった両腕に、厚さを増した胸板…。進化の具合は一目で分かった。2年目に臨むにあたり呉昇桓が掲げるテーマは明確だった。

 「今は体重を増やしている。昨年のシーズン終了から4キロ増えて97キロ。シーズン中もキープしていきたい。球速、球威も上がると思っている」

 昨年は走り込みに重点を置き、ベスト体重より絞った状態でシーズンインしたが「思った以上に球威が上がらなかった」と苦しんだ。その反省から、現在は韓国プロ野球・サムスン時代の97キロにまで戻した。

 昨年12月27日にグアム入りし、3勤1休のペースでハードトレーニングを実施。1日平均2時間をウエートに割き「巨大化」を図っている。この日も、あの「石仏」が表情をゆがめるシーンが何度も見られた。序盤の下半身強化のメニューがハード過ぎて、腹筋強化を取り止めるほどに追い込みをかけた。

 体重増の最大の目的は「石直球」のレベルアップだ。昨年、最速157キロを誇る真っすぐは、日本球界でも圧倒的な力を発揮した。しかし、呉昇桓が口にしたのは自信ではなく、危機感だった。

 「昨年は直球が通用したというより、お互いに知らない状態で戦っていた。今年は知った状態でやるので、もっと集中していかないと」

 配球などデータが出揃う2年目は一筋縄ではいかない。他球団の想定を上回る“サプライズ”こそが球速、球威ともに増した「超石直球」だ。「瞬発力も大事。ウエートに加えてそういうトレーニングをすれば球速も上がっていく」と自信を見せ、昨年から個人トレーナーを務めるグォン・ボソン氏も「今のところ昨年より悪くなったところは一つもない。より力強さが出てきた。体のバランスも良くなっている。スピードも上がると思う」と太鼓判を押した。

 160キロに迫る超石直球を携え、見据えるのは助っ人投手では史上初となる来日1年目から2年連続での最多セーブのタイトル。「チームが4、5位で獲っても意味がない。チームも個人も良かったら一番良い」と快挙達成を狙う。

 「第一目標はセーブ数よりチームが優勝すること。失敗を減らして防御率も良くしたい」。立ちはだかるものはなぎ倒すだけ。背番号22が2015年も猛虎の砦となる。

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