稼頭央 40歳来季は外野一本!“年下”陽岱鋼に弟子入りへ

[ 2014年11月30日 05:30 ]

契約更改交渉を終えて会見する楽天の松井稼

 少年のような笑顔を見せた。仙台市内の球団事務所で行った契約更改交渉で、楽天・松井稼は40歳となる来季から新たに2年契約を結び、現状維持の年俸1億6000万円でサイン。「この年で複数年契約を結べるとは思っていなかった。本当にうれしいです」と感謝した。

 今季チームは最下位も自身はリーグ9位の打率・291。8月には月間MVPも受賞した。一方、守備で大きな転機があった。頭角を現してきた若い西田に遊撃守備を経験させるため、シーズン途中に自ら首脳陣に「外野を練習したい」と直訴。8月中旬以降は左翼やDHで出場した。交渉の席でも「来年の登録は外野手でお願いします」と希望。主将としてもチームをまとめる男は「来年は外野手一本で勝負したい。この年で新しいことに挑戦できるのは新鮮だし、1年でも長くプレーしたい」と意気込んだ。

 日本を代表する両打ちの遊撃手として日米通算2535安打の松井稼も、外野手に挑戦するからには内野への未練は断つ。「榎本とか島内とか、チームの若い外野手を見ていても、本当に守備がうまいと思う。何でも聞いていきたい」と20歳近く年が離れた選手にも謙虚に教えを請うつもりだ。さらに「年に1回は食事する仲」という日本ハムの陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)と今季途中に仙台で食事した際、12月にロサンゼルスで合同自主トレを行うことを約束。陽岱鋼も内野手として入団しながら外野にコンバートされて活躍しており、「外野手のトップクラスの選手。いろいろ盗みたい」と松井稼は目を輝かせる。

 日本通算2000安打にも残り80まで迫った。来季の主将については、「理想は内野手(がベター)。外野から(投手を激励するために)マウンドに行くのは疲れるから」と冗談も言いつつ、「来季もやれと言われればやる」と力強かった。

 プロ22年目の来年は10月で40歳となるが、口癖は「もっと野球がうまくなりたい」。松井稼は永遠の「野球小増」だ。

 ▼楽天・安部井寛チーム統括本部長 長打も打てるし、走塁も若手に負けてない。グラウンドでのリーダーシップなど人間性も含めて必要な選手でもあり、2年契約を用意しました。

 ≪主な内野→外野転向≫

 ☆原辰徳(巨人)三塁手から9年目の89年に転向。3シーズンは主に左翼を守り、その後、内野手に再転向した。

 ☆西村徳文(ロッテ)二塁や三塁を守っていたが、8年目の89年にチーム事情で転向(主に中堅)。85年に二塁手、90年に外野手でゴールデングラブ賞を受賞。

 ☆秋山幸二(西武、ダイエー)7年目の87年、俊足と強肩を生かすため三塁手から転向(主に中堅)した。同年から10年連続でゴールデングラブ賞。

 ☆福留孝介(中日、現阪神)1年目の99年は正遊撃手。徐々に外野起用が増え、4年目の02年から専念(主に右翼)。

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2014年11月30日のニュース