ハム中村 無傷6連勝 大谷登板翌日に130キロ台直球で幻惑

[ 2014年8月28日 05:53 ]

<ソ・日>増井からウイニングボールもらう中村

パ・リーグ 日本ハム4-3ソフトバンク

(8月27日 ヤフオクD)
 「大谷の残像」がソフトバンク打線には刻まれていた。4回、2点差に迫られ、なお2死満塁。日本ハムの先発・中村は右腕を思い切り振った。球速はこの日最速の139キロ。外角へのこん身の1球で松田を空振り三振に仕留め、ピンチを脱した。

 「真っすぐと変化球でストライクを取ることができ、自分有利で進めることができた」。6回2/3を投げ5安打3失点。球団の先発投手では09年の八木(現オリックス)以来となる開幕から無傷の6連勝をマークした。

 栗山監督は「(大谷)翔平が投げた翌日の投手は難しいけど、プラスアルファの面を生かしてくれた」と言った。前夜、10勝目を飾った大谷は最速156キロをマークするなど、150キロ台前半の直球を軸に押し込んだ。一方、中村の直球は130キロ台前半が中心。高校時代は大谷が「みちのくのダル」、中村が「埼玉のダル」と呼ばれたように、ともに細身の体形でしなやかなフォームを特徴とする。だが、中村は腕の振りの割にボールが来ない。厚沢投手コーチは「打者のポイントを前にいかせたかった。相乗効果です」とニヤリ。大谷の剛速球に差し込まれた打者の感覚に自然とズレが生じ、20キロ以上遅い直球で幻惑した。

 昨年まで通算4勝。今季序盤から先発ローテーション入りを果たすと、5月24日のDeNA戦(札幌ドーム)でプロ初完封を飾るなど急成長を見せている。5年目の22歳は「僕と大谷は別次元」とどこまでも謙虚だが、その効果は絶大だった。

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