連日の亀、亀!巨人 交流戦単独首位 原監督父との別れ涙で報告

[ 2014年6月2日 05:30 ]

<オ・巨>5回2死三塁、原監督(右)は杉内の適時打で生還した亀井(左)とグータッチ

交流戦 巨人2-1オリックス

(6月1日 京セラD)
 巨人は1日、パ・リーグ首位のオリックスに2―1と競り勝って、今季4度目の3連勝。ロッテがDeNAに敗れたため、交流戦の単独首位に立った。原辰徳監督(55)は試合前に、5月29日に父原貢氏(享年79)を亡くしたことを涙ながらに選手に報告。前日からスタメン出場の亀井善行外野手(31)が5回に先制の適時二塁打を放つなど、2日連続の勝利打点で指揮官の期待に応えた。

 また大仕事をやってのけた。2日連続のヒーローインタビュー。真っ黒に日焼けした亀井が白い歯をのぞかせた。

 「本当に欲しい1点が取れて、凄い気持ち良かった。とにかくチームに貢献したい一心です」

 延長12回に決勝ソロを放った前夜とは違い、この日は中盤に決めた。5回無死一、三塁。ディクソンの低めのスライダーを右翼線へ運んだ。先制の適時二塁打は2日連続の決勝打。「杉内さんが良い投球をしてたので何とか打ちたかった」と気持ちをバットに込めた。

 2月の沖縄キャンプ終盤、右手人さし指を骨折した。昨年は春季キャンプで左ふくらはぎを肉離れ。「毎年バカみたいにケガをしてショックだった」。悔しさを胸に「チームが苦しいときに力になりたい」と、ポール間走や坂道ダッシュに明け暮れた。動きに制限の出る上半身を使えない分、下をいじめ抜いた。

 前日31日の試合後、球団から原貢氏の死去が発表された。原監督はこの日球場入りの際に報道陣へ「素晴らしい報道をしていただきありがとうございます」と感謝の意を述べた。練習前にはコーチ、選手を集めたミーティングを開き「心配、ご迷惑をおかけしました。(貢氏は)家族に見送られて幸せだった」と涙ながらに報告。黙とうもささげた。

 悲しみを乗り越えて指揮を執る原監督の采配も決まった。まだ患部に不安の残る亀井を30日に1軍に呼び、2試合連続で先発起用。亀井も「勝利という形で監督の親父さんに届けば」と期待に応えた。また、2点リードの6回2死満塁では、先発・杉内を迷うことなく降板させ、5人の継投で逃げ切った。

 原監督は亀井について「役割も凄く良い仕事ぶり。戻ってきた意味は大きい」と絶賛。亀井も「まだまだ物足りない。福岡でも連勝できるように頑張ります」とさらなる活躍を誓った。苦しみからはい上がった不屈の背番号9が首位奪還の起爆剤になる。

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