東大 とうとう71連敗…リーグワースト記録更新

[ 2014年5月4日 05:30 ]

<東大・早大>1回無死一塁、早大・重信の中飛で飛び出した一走・中村が慌てて帰塁、判定はセーフもボールは東大一塁手・白砂のミットに…

東京六大学第4週第1日 東大0―11早大

(5月3日 神宮)
 1回戦2試合が行われ、東大は早大に0―11で大敗し、自らのリーグ記録を更新する71連敗(2引き分け挟む)となった。エースの辰亥由崇投手(3年)が初回に2点本塁打を浴びるなど序盤から劣勢で、打線も散発3安打。今季開幕から5試合で4度目の零敗を喫し、不名誉な新記録を阻止できなかった。これで1925年のリーグ創設以来の通算成績は244勝1545敗55分け。また、法大は明大に2―1でサヨナラ勝ちした。
【試合結果 勝敗表】

 また負けた。東大ナインは口を真一文字に結び、スタンドに頭を下げた。89年の歴史がある東京六大学リーグに刻まれた不名誉な新記録。有井主将は「情けないよりも悔しい。応援してくださる方々がいる中で、こういう記録をつくって申し訳ない」とうつむいた。

 10年10月2日に斎藤佑樹(現日本ハム)が先発した早大から挙げた白星が最後で、皮肉にもその早大に完膚なきまでに叩きのめされて71連敗。エースの辰亥が序盤で崩れ、打線は散発3安打。守備も3失策を記録した。

 今の東大には現役時代に通算5本塁打を放った浜田一志監督や、8勝を挙げた大越健介投手(現NHKキャスター)のような突出した選手はいない。そればかりか、他校との戦力差は近年、さらに拡大している。他の5校は有望な高校球児のリクルートに力を入れ、リーグは全国屈指のレベルを維持している。東大に通算83敗と最も多く負けている立大も2008年度に「アスリート選抜入試」を導入し、スポーツ推薦のない東大の「1弱」の様相に拍車がかかった。

 とはいえ、リーグに東大の存在は不可欠だ。神宮球場でのプレーに憧れ、最難関の受験を勝ち抜いた選手が甲子園出場組に挑み続ける特異な構図は、六大学野球の魅力の一つでもある。この日に応援に訪れた「東大を優勝させよう会」の冷泉公裕会長(67)も「ここから初めて歴史が始まる。入れ替え戦がないなどの状況に甘えず、どれだけ危機感を持ってくれるか」と、今後の東大に期待した。

 浜田監督は「自慢できるくらい努力を重ねているが、なかなか野球の神様に認めてもらえない」と声を絞り出したが、試合後、ナインにはこう語りかけた。「もう失うものはない。相手が一番嫌なのは捨て身で向かってくるチーム。君たちの努力は必ず実を結ぶ。心を折るな」――。2安打と1人気を吐いた初馬は「後は当たって砕けるだけ」と再びファイティングポーズを取った。

 ▼開成高(東京)青木秀憲監督(94年に東大が年間8勝した時の主務)うまくなるための努力を続ければ、いずれは結果が出る。東大で高いレベルの選手が育てば、そのノウハウは高校や中学にとっても参考になる。

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