ロッテ新伝説!ドラ1石川だから「サンデー五右衛門」だ 本物2勝目

[ 2014年4月21日 05:30 ]

<ロ・ソ>球場前にやって来た「パトレイバー」のイングラムを背に2勝目のウイニングボールをかざす石川

パ・リーグ ロッテ4-0ソフトバンク

(4月20日 QVC)
 「新サンデー男」の襲名だ!ロッテのドラフト1位・石川歩投手(26)が20日、ソフトバンク戦で8回を4安打無失点と好投し、2勝目をマーク。最速147キロの直球を軸に、試合前の時点でチーム打率3割を誇った強力打線をねじ伏せた。プロ初完封は次回にお預けとなったが、防御率1・21はリーグ2位に浮上。今季ここまで全て日曜日に登板している愛称「五右衛門」の実力は本物だ。

 普段はクールな男が、珍しく感情をむき出しにした。7回、鶴岡を外角低め142キロ直球で空振り三振に仕留めると、こん身の雄叫び。続く中村も135キロのシンカーで空振り三振に切った石川は、右手でグラブを思い切り叩いた。

 「きょうは気持ちを入れました。絶対に勝ちたかったので。一発勝負のつもりで投げました」

 初回にプロ入り最速タイの147キロをマーク。伊東監督が「左打者を上手に攻められる」と評価するように、左打者には外角低めに沈むシンカーが有効。右打者には速球とカーブ、スライダーのコンビネーションで的を絞らせなかった。

 8回2死から、内川にこの試合2本目の中前打を許した。打たれたのは、右打者にはほとんど投げないシンカー。「点差もあったので1球だけ投げたら打たれましたね」。4割打者に自分の武器を試すあたりは、並の新人ではない。8回まで114球で4安打無失点。両リーグ新人完投一番乗りに続く、完封一番乗りも十分狙えた。「最後まで投げたかった」と言うが、ベンチの判断で、同じ富山出身の西野に9回のマウンドを託した。

 プロ初先発した3月30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から、毎週日曜日にマウンドに上がっている。ロッテでは過去に「サンデー兆治」「サンデー晋吾」の愛称で親しまれた先輩がいる。石川も、小野晋吾氏(現球団スカウト)の活躍はテレビで見ていたという。

 チーム内では「石川五右衛門」にちなんで「五右衛門」のニックネームが浸透。「僕も日曜日に活躍できる投手になりたい。“サンデー五右衛門”でお願いします」。帽子のつばの裏には「五右衛門」と記されている。

 ここまで4試合に先発し、2勝1敗。防御率1・21は堂々のリーグ2位だ。ヤンキース・田中と同学年の「遅れてきたマー君世代」は「次は完封したい」と言い切った。ロッテの新たな「サンデー伝説」の幕開けだ。

 ≪ロッテのサンデー男≫

 ☆村田兆治 85年に右肘の故障から復帰し、開幕から8完投を含む11戦全勝。同年は患部の負担を考慮して登板間隔を中6日とし、11連勝のうち日曜日の登板で8勝をマークした。「サンデー兆治」の愛称で親しまれ、17勝5敗の好成績でカムバック賞を受賞。

 ☆小野晋吾 00年4月23日のオリックス戦(仙台)から7月9日の日本ハム戦(千葉マリン)まで12試合連続で日曜日に登板して9連勝。大先輩の村田兆治にちなんだ「サンデー晋吾」の愛称で大きな注目を集めた。同年13勝5敗で最高勝率を獲得。

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