マー君の“商品価値”が皮肉にも障壁に 新移籍制度成立に時間がかかったワケ

[ 2013年12月17日 07:22 ]

9月26日、リーグ優勝を決め立花球団社長と握手をかわす楽天・田中

楽天・田中 17日、立花社長と去就会談

 新移籍制度成立にここまで時間がかかった最も大きな要因は何か。田中の商品価値の高さであり、皮肉にも今オフのメジャー移籍を目指す自らの存在が障壁となった。

 旧制度が失効されたのは無制限だった入札額の高騰が原因。そのため新制度案では日本の球団が得る額を入札額1位と2位の中間に設定し、日米で合意寸前だった。それでも田中の存在は大きすぎた。数々の連勝記録を塗り替え、今オフの大リーグの移籍市場でも最も評価の高い投手。入札額は最高で1億ドル(約103億円)に達するとみられたことで、資金力に乏しい米球団が反発した。11月15日、新制度案を大リーグ側が取り下げた。

 田中でなければ起こり得ない事態。結果、上限2000万ドルだ。今度は入札額を手にする楽天が納得するはずもない。約20億円。田中の商品価値からすれば、あまりにも安い。今オフのメジャー移籍を認める当初の方針に迷いが生じた。ある球団幹部は「最初の段階で合意していたなら問題はなかった」と振り返る。

 複数球団との交渉権を求めた日本の選手会の承認が遅れ、大リーグ側に再考する時間を与えたのも事実。さまざまな事情が絡み、田中を最後まで苦しめている。

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2013年12月17日のニュース