ラルー “大暴れ”初先発 ブラピ似右腕は武闘派だった!

[ 2013年6月3日 06:00 ]

<ロ・ヤ>2回2死三塁、江村の時に同点となる2度目のボークをとられたヤクルトのラルー(左)は市川主審に詰め寄る

交流戦 ヤクルト5-3ロッテ

(6月2日 QVC)
 ブラッド・ピット似の甘いマスクが一気に紅潮した。来日初登板初先発のヤクルトのラルーは、2―1の2回2死三塁でセットポジションが制止していないとして、この回2度目のボークを取られて同点とされた。

 するといきなり市川球審に詰め寄り、3アウト後にベンチに戻ると、今度はドリンクケースを蹴り上げた。

 何とも気性の荒い男だ。3回以降は「ドリンクケースを蹴ったのが効いたのかもしれない」と冷静さを取り戻し、動く直球とスライダーを軸に6奪三振。しかし、3―2の7回1死二塁から3度目のボークを犯して1死三塁とされ、荻野貴に同点の中犠飛を許すと、本塁後方に転がっていた荻野貴のバットを蹴り飛ばして再び怒りを爆発させた。

 試合後は「米国では(セットポジションは)一度止まれば大丈夫。日本では止まって間を置かないといけない。そこは修正が必要」と静かに振り返った。6回2/3で3失点も初白星はならなかったが、チームの雰囲気を変えるためには、こんな破天荒さも必要なのかもしれない。

 セットポジションに課題は残したが、伊藤投手コーチは「直球はシュート回転して汚いボール。ストライクゾーンに来れば打ちづらそう」と評価し、荒木投手コーチも「攻撃的に攻めていってくれるのはいいところ」とその投球スタイルを歓迎した。チームの連敗も2でストップ。甘いマスクの武闘派右腕が、リーグ最下位に低迷するチームに闘争心を注入した。

 ▽ラルー(ヤクルト)1試合3ボーク、1イニング2ボークのいずれもセ・リーグ最多タイ ロッテ3回戦(QVC)の2回に2個、7回に1個で記録。1試合3ボークはリーグ5人目。1イニング2ボークは過去多数あり。

 ◆クリス・ラルー 1984年4月14日、カナダ・モントリオール生まれの29歳。米ウィンスロップ大から05年にドラフト7位でマーリンズに入団し、10年にパイレーツに移籍。大リーグ通算63試合に登板し、1勝2敗、防御率5・56。13年5月2日にヤクルトに入団。09、13年WBCカナダ代表。1メートル98、100キロ。右投げ左打ち。

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