梶谷 ポカで懲罰降格から再昇格即代打V打

[ 2013年4月21日 06:00 ]

<D・中>中日に連勝し笑顔で梶谷(右)を出迎える中畑監督

プロ野球 セ・リーグ DeNA4-2中日

(4月20日 横浜)
 愛のムチは痛い。自分のふがいなさが身に染みて分かった。汚名返上の場面は同点の8回2死満塁。梶谷は集中力を研ぎ澄ました。田島の外角直球を逆らわずに左翼線に打ち返した。「強く振ることだけを考えた」。この日昇格し、代打で決勝2点二塁打。雨が降りしきるお立ち台で「まさかここに立てると思わなかった。自分が一番びっくりしている」と喜んだ。

 前打者の松本の打球が一塁走者の金城に当たり、守備妨害でアウトに。中畑監督の抗議も実らず、好機がついえかけただけに大きかった。

 9日の広島戦(横浜)で二塁手として、二塁のベースカバーを怠るボーンヘッドで敗戦。中畑監督に呼び出され、「昨年からチャンスを与えている。もうないと思え」と叱責(しっせき)された。そこまで打率は・375。だがプロとして恥ずべきプレーで2軍落ちした。自宅のソファで午前3時まで放心状態になるほどショックを受けた。

 身体能力は高くても、いわゆる「ポカ」が多い。だから中畑監督に勧められ、座禅に取り組んだ。「普段しない格好でりした。少し整理できた気がする」。課題の集中力が磨かれた。さらに、打撃不振で2軍落ちしていた筒香から「絶対に1軍へ一緒に上がりましょう」と鼓舞され、刺激を受けた。「試練の10日間」で一喜一憂しないたくましさを身につけた。愛弟子の奮起に中畑監督も「自分で打ったようにうれしかった」と目を細めた。

 「きょうは終わったので、またあす頑張ります」。奈落の底からはい上がってきた人間は強い。

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2013年4月21日のニュース