岩村「ただいま!」復帰弾が口火!ヤクルト3連発

[ 2013年4月8日 06:00 ]

<ヤ・D>2回無死、左越えにソロ本塁打を放つ岩村

セ・リーグ  ヤクルト10―6DeNA

(4月7日 神宮)
 こんな興奮はいつ以来だろう。ベースを回るヤクルトの岩村は珍しく顔を上気させた。

 「打ち慣れた神宮のポール際。いろいろ感じるものがある。最高」

 2回だ。先頭打者で2ボール2ストライクから三浦の投じた130キロの外角スライダー。「(三浦)大輔さんとの勝負。外の変化球が頭にあった。この風で角度がつけば…」。打球は15メートル以上という強風に乗って左翼ポール際へ飛び込んだ。ヤクルト復帰1号は、自身06年10月10日の広島戦以来の神宮アーチ。この一発が打線に火をつけた。

 続く武内も右翼ポール際へ。さらに戦線離脱した相川の代役・中村も左翼席へ続く。ヤクルトでは05年8月17日の広島戦(広島)でラミレス、宮出、リグスが放って以来の3連発。この猛爆を岩村が導き出した。

 日本球界に復帰した一昨年からはケガとの闘い。大リーグから楽天に移籍した2年間を「ないものにはしたくない」という。美幸貴夫人の支えで食生活から体調管理を徹底。体重は102キロから12キロ減の90キロとなり、キャンプでは伊勢ヒッティングコーディネータの球を朝から晩まで打ち込んだ。「野球のできる体ができれば成績は残ると思った。伊勢さんに感謝したい」

 前日の試合後、長期離脱した相川に「ホームを守ってケガしたのは意味がある。いない間、全員でカバーします」と声をかけた。7回も貴重な適時打を放ち、5歳の長男の目の前で復活祭。「ただいま!」。お立ち台で叫んだ岩村の言葉が神宮の杜に響いた。

 ▼ヤクルト・武内(2連発目の今季1号)追い込まれていたので、何とか粘り強くと食らいついた。(右翼から左翼への強い)風でポール際が切れずに助かりました。

 ▼ヤクルト・中村(3連発目の今季1号)打ったのは真っすぐ。ボール球に手を出さないことだけ考えた。風のおかげです。

 ≪すべて1号での3連発は史上初≫ヤクルトは2回に岩村―武内―中村が3者連続で今季1号。1イニング3者以上の連続本塁打はセ57度目になるが、全て1号での達成はリーグ初。パでは近鉄が90年4月29日オリックス戦の5回に鈴木―中根―山下のオール1号3連発がある。なお、この日の両軍合計8発は統一球導入後最多。

 ≪1試合8本塁打は統一球導入後最多≫7日のヤクルト―DeNA戦(神宮)で、両チームがともに4本塁打ずつ打ち計8本塁打。統一球が導入された11年以降では、11年5月21日西武―中日(西武ドーム、西5中2)の7本を抜いて1試合の最多本塁打となった。

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