イチローダブル達成 米400&日米通算600盗塁

[ 2011年6月17日 06:00 ]

<マリナーズ・エンゼルス>初回、イチローは三盗を決めメジャー通算400盗塁を達成

ア・リーグ マリナーズ3―1エンゼルス

(6月15日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が15日(日本時間16日)のエンゼルス戦で2盗塁を決め、米400盗塁と日米通算600盗塁の大台にダブル到達した。初回の三盗でメジャー400盗塁を記録すると、7回にも二盗を決め、日米通算600盗塁(日本199、米401)とした。打撃でも今季最長の5試合連続のマルチ安打をマーク。チームを勝利へと導き、首位レンジャーズに1ゲーム差と迫った。
【試合結果】

 本拠地セーフコ・フィールドの大型スクリーンに「おめでとう、イチロー 400盗塁」の文字が浮かび上がった。初回1死一、二塁。二塁走者として4番ペグエロの4球目、捕手が送球をあきらめるほど完璧な三盗を決めた。観客の拍手にもクールな表情のまま、三塁ベースに立った。

 「ありがとうございます」

 試合後の言葉も短かった。7回1死三塁では敬遠で出塁後、次打者の3球目に二盗に成功。日米通算600盗塁のダブル大台到達に「600って何ですか?日本の数は知らなかったですから。まぁありがとうございます、でいいんじゃないですか」とそっけなかった。

 イチローにとって盗塁は数ではない。4月に10盗塁したのも、機動力で勝負するしかないチーム力だと判断したからだ。チーム状況、試合状況で盗塁が必要かどうかが判断の基準となる。「行けなかったら行かない。みすみすアウトになるようなことはしない」。日米通算で82・7%の成功率を誇る。7回は0―0と緊迫した投手戦。相手バッテリーが打者との勝負に集中している隙を突いた。その後は後続の適時打で生還した。「目いっぱい行ってはいけない。(俊足の)イメージ。そうやって人をだまさないといけない」と語る。走らなくても塁上で常に相手バッテリーに重圧をかける。数よりも質。成功率の高さは、足の脅威を感じさせるのにこれ以上ないデータとなっている。

 塁間3秒ちょっとに詰まっている技術。(1)(リード時に)重心を落としすぎない(2)スタート時に足よりも骨盤を動かす(3)走塁時は内股になるよう意識し、太腿は高く上げない(4)スライディングで尻をつかない。腕の振りは「力が伝わる体の中で振る」イメージ。爪先も常に内側を向け、推進方向以外に力を逃がさない。スライディングで尻をつければ減速し、送球の乱れで次の塁を狙う体勢もつくれない。確かな技術が37歳を支える。
 2本の二塁打で5試合連続マルチ安打。20連戦が終了し、首位レンジャーズに1ゲーム差と迫った。チームの勝利のために、イチローは走り続ける。

 ≪通算成功率は・827≫イチローがメジャー400盗塁を達成。マ軍は1900年以降では史上42人目と発表したが、記録サイトによって数字は異なる。大リーグでは大差がついた場面で走っても盗塁とカウントされなくなり、盗塁の定義が変わったことで誤差が生じたとみられる。またイチローは日米通算600盗塁に到達。メジャーで通算600盗塁達成者は過去17人おり、歴代1位は1406盗塁(盗塁死は335)のリッキー・ヘンダーソン(主にアスレチックス)。通算成功率は・807で、イチローは・827で上回っている。

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2011年6月17日のニュース