坂本 「3割、20本」へ「マートン流」導入

[ 2010年12月13日 06:00 ]

八戸での野球教室で談笑する(右から)楽天・青山、巨人・坂本、西武ドラフト3位秋山(八戸大)

 目指すは「マートン流」だ。巨人・坂本は12日、母校・光星学院がある青森県八戸市で野球教室に参加。来季の目標である「3割、20本塁打」に向けて、指導内容や相手投手の配球をノートに書き留め、シーズン中の参考資料として活用したい考えを示した。

 高校時代の3年間を過ごした第2の故郷は最高気温2度。底冷えを吹き飛ばす熱い指導を終えた21歳は、熱い口調で、200人の少年に訴えた。「きょう教わったことは家に帰ったらメモをしてください。プロの人でも忘れてしまう。後で見返して思い出すこともあると思います」。その言葉は、そのまま来季の自分へ課した宿題でもあった。

 今季、来日1年目ながらプロ野球記録の214安打をマークした阪神・マートンを支えたのが「マル秘ノート」の存在だった。慣れない日本野球に対応するため、コーチからの助言を事細かにメモを取っていた。オープン戦から相手投手の球種や配球も書き留めて、次回対戦時に見返すことで好成績につなげた。

 同じリーグで、同じ右の1番打者。ライバルチームにいたこれ以上ないお手本に、坂本も「今までは全然(メモを)してこなかったですけど、そういうこともやっていきたい。マートンもやってましたから、参考にしたいです」と目を輝かせる。坂本自身、今季は7月に打率・202のスランプを味わい、2年連続の3割を逃している。不振時に自分の言葉や感覚で書き記したノートがあれば、スランプからの早期脱出の一助にもなる。

 グラウンド上で最善を尽くすのは当然のこと。好不調の波が少ない1番打者として、ベンチの信頼を得るために。来季は坂本がメモ魔となる。

 ☆マートンノート 相手投手の交代時や試合終了後に、マートン自らが書き留めていたメモ。投手の初球の入り方や配球の傾向や特徴などに加えて、審判のストライクゾーンの特徴も記していた。本人は「小さな頃からノートを取る習慣があった」と話し、日本で成功するための必需品としている。

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2010年12月13日のニュース