「じじいみたいな投球」…雄星に厳しい“ダメ出し”

[ 2010年2月8日 06:00 ]

ブルペンでの投球を終え、潮崎投手コーチ(左)と言葉を交わす雄星

 西武のドラフト1位左腕、雄星投手(18)が7日、宮崎・南郷キャンプで潮崎哲也投手コーチ(41)からプロ初のダメ出しを受けた。フォーム固めが理由とはいえ、力を抜いたまま投球練習する姿に同コーチが苦言。厳しい言葉で、より力強い姿での投球を求めた。きょう8日から4日間、卒業試験のため岩手・花巻に戻る黄金左腕にとって、大きな課題が与えられた

 厳しい言葉は期待の裏返しでもある。キャンプ7日目にして、潮崎投手コーチは雄星をバッサリ切り捨てた。ブルペンで18歳左腕の68球を見終えると淡々と口を開いた。
 「はっきり言って良くないね。バテる球数じゃない。今のまま実戦に入ったらケガや故障が出る。今の調整法は調子が悪くなったら勝てない調整。18歳で、じじいみたいな投球をしていてもね。今のままじゃ10勝10敗で終わっちゃうよ」
 問題視したのは、フォームを気にしすぎて全力の投げ込みができていないことだ。フォーム固めに基盤を置く雄星は、納得がいかないと力を緩めたまま軽く投げる調整を続けてきた。同コーチはこの日のブルペンで涌井、岸の間で投げるよう指示。直球を強く投げ込む両腕から、何かを感じ取ってもらいたかったからだ。「暴投してもいいから、フォームを崩すつもりで投げてみろ」と涌井の助言で23球目以降は全力で投げ込んだが、終盤はバテて球威も落ちた。同コーチはスタミナ不足も指摘して「投げ慣れれば(全力で)200球くらいいける。理想は涌井。スタイルを見習ってほしい。試合で強弱をつけるには“強”の練習をしないと」と、若々しい投球を強く勧めた。
 「自分でもこのままじゃいけないなと。小さくまとまっていたので、大きいフォームにしてから細かいところをやっていこうと思います」と雄星は話したが、潮崎コーチは「長い年月をやらなきゃいけない投手だから」と、黄金ルーキーに対して物足りなさを口にする。キャンプ前半戦で突きつけられた課題。将来のエース候補はこれを糧とするしかない。

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2010年2月8日のニュース