山口 育成出身史上初の年俸1億円突破!

[ 2009年12月3日 06:00 ]

育成初の1億円を突破した巨人・山口鉄也は「来年も旋風を」とばかりに特大うちわで花吹雪を扇ぐ

 今季に球団最多の73試合に登板した巨人の山口鉄也投手(26)が2日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5500万円増となる年俸1億円でサインした。育成ドラフト出身選手としては史上初の大台突破で、1年目にわずか240万円でスタートした年俸が5年目で約42倍にアップ。まさに“シンデレラボーイ”だ。

05年12月1日 育成ドラフト1期生誕生 大きく羽ばたいた山口鉄也

 顔を紅潮させ、口元を引き締めても自然と笑みがこぼれ落ちた。05年育成ドラフトで入団してから4年。会見場に現れた山口は、興奮収まらない様子で大台にたどり着いた喜びを語った。
 「出来過ぎな感じで信じられない気持ち。“今年は言うことはない。下からはい上がって、よくここまで来た”と評価をしていただきました」
 4年目の今季は球団新記録となる73試合に登板。9勝1敗4セーブ、防御率1・27の好成績を残し、チームの7年ぶり日本一に貢献した。昨季は新人王を獲得、今年も最優秀中継ぎ投手を獲得し、育成出身選手として初のタイトルホルダーになった。“育成出身初”の枕ことばを総ナメし続ける左腕は「大台に行けば自信になると思っていたので、行きたいという希望はあった」と振り返った。
 巨人では松井、阿部と並ぶスピード昇給で、5年目以内での年俸1億円到達も5人目だ。しかし、山口を除く4人は、いずれもドラフト1位や逆指名で入団。しかも、山口は年俸240万円の薄給スタートだった。横浜商を卒業後、ダイヤモンドバックス傘下のルーキーリーグで3年間プレー。横浜、楽天の入団テストに落ちた末、巨人に“拾われた”山口にとってスピード出世を果たした先輩は雲の上の存在だった。それだけに「入団当初はまさかここまで来られるとは思わなかった」と本音を口にした。
 もちろん、これが終着点ではない。来年1月には内海らとともにグアムで自主トレを行う予定。来季は先発転向案も浮上する中、「(ポジションに)特に希望はない。“山口を出せば抑えてくれる”と信頼される投手になりたい。満足せず、さらに上を目指したい」。さらなる高みへ、たゆまぬ向上心で新シーズンに臨む。

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2009年12月3日のニュース