楽天 赤字圧縮も…娯楽性との両立に難しさ

[ 2009年12月3日 15:41 ]

 1年目の2005年、楽天は約1億5000万円の黒字を計上して話題になった。その後は赤字だが、池田球団副社長は「10年間はやむなし」と言う。大規模な球場改修の費用を償却するからだ。2015年ごろの黒字化を目標に掲げている。

 売り上げの増加で赤字幅は年々圧縮されている。今季は曜日や対戦カードによってチケット価格が変動する仕組みを導入し、販売枚数が約13%伸びた。不況による数億円のスポンサー収入減少を差し引いても、昨年より赤字は削れる見通しだ。
 商魂はたくましい。女性層を視野に入れ、スイーツ専門店や授乳室を球場に設置。トイレの整備にも気を配る。シーズン終了後には鉄平の首位打者を記念し、サイン入りバットを5万5000円で販売。1万~2万円という木製バットの市価からすれば高額だが、完売した。
 ただ、エンターテインメントとの両立には難しい点もある。大阪が拠点のCS放送「スカイ・A」が楽天戦を中継しているが、昨年から契約形態が変わり、スタッフの人選は球団の手に移った。楽天に詳しくても、交通費のかかる関西のアナウンサーや解説者は敬遠される傾向があるという。「楽天を盛り上げる放送がしたいが、もどかしさはある」と担当者。視聴者からは、中継の質に対する厳しい声も届く。
 ファンの支持を得ながら、いかに経営を軌道に乗せるか。池田副社長は「われわれはビジネス社会でまっとうに行われている経済活動を持ち込んできている。プロ野球を事業としてとらえ、ビジネスモデルを確立したい」としている。

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2009年12月3日のニュース