エース復活!岩隈 2戦連続完投で連敗止めた

[ 2009年8月5日 06:00 ]

<オ・楽>岩隈久志が1年ぶりの2試合連続完投

 【楽天5―2オリックス】べとつく重たい空気を必殺のカミソリシュートが切り裂いた。伝家の宝刀をよみがえらせた楽天・岩隈が昨年6月15日の巨人戦(Kスタ宮城)以来、1年ぶりの2試合連続完投で連敗を3でストップ。「何とか勝ちたいと思っていた。うれしい」と敵地で勝ちどきを上げた。

 ローズに先制適時打を浴びた初回は28球も要した。気温30度の暑さに湿気も加わり、とても完投など目指せない立ち上がり。だがそこからが打たせて取る真骨頂だった。5、6回と1死一塁からともにシュートで内野ゴロ併殺。6、8回はわずか6球で切り抜ける“エコ投法”で完投ペースに持ち込んだ。「途中からシュートで狙ってゴロを打たせられた。自分らしい投球ができた」。27アウト中、12個をシュートで奪った。今季最多127球の力投で8勝目をつかんだ。
 乗り切れなかった前半戦は、このシュートが投げられなかった。「ひじの状態、投げ方、離す位置、体の開き。それらすべてがうまくいかずシュートは全部ひっかけてしまっていた」と佐藤投手コーチ。右ひじ痛で6月18日から7月11日まで出場選手登録を抹消され休養し、技術的にもフォームを修正した。シュートとは逆方向へのスライダーも決まり「右打者の内にシュートが決まると、外でストライクも取れるようになる」と同コーチは相乗効果も口にした。
 「見る限り調子は良くなかったけど悪いなりにね。エースだから。出る試合はすべて勝ってもらわないと。3連敗していて、きょうはどうしても勝ちたかった」。野村監督も安どの表情を浮かべた。3位西武とのゲーム差を4・5に縮め、プレーオフ争いに何とか踏みとどまる1勝。それ以上に今後へ希望を抱かせるエースの完全復活だった。

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2009年8月5日のニュース