イチロー自己新26戦連続安打も「そこまで…」

[ 2009年6月4日 06:00 ]

<マリナーズ・オリオールズ>初回、一塁へ猛進するイチロー

 【マリナーズ8―2オリオールズ】マリナーズのイチロー外野手(35)が2日のオリオールズ戦で2安打を放ち、自己記録と球団記録を更新する26試合連続安打を達成した。初回の遊撃内野安打で、電光掲示板には記録を祝福する文字が浮かび、観客席から拍手が起こった。でも、イチローはヘルメットを取らなかった。ファンへの感謝を忘れたわけではない。

 「時間を取るまでもないというか、そこまでする必要はなかったので。30とか区切りのいいところ、そこまでいけばというのはあるけど…」
 ディマジオの持つ大リーグ記録である56試合の半分にも満たない。その数字の価値を客観的に考えてのことだった。
 第1打席は4試合連続安打。試合終盤までいけば、敬遠などの可能性が広がり、重圧もかかるだけに、第1打席の意味は大きい。だが「特別なことはない。(記録を)遠ざけているわけではない。普通にしているだけ」と自然体を強調した。
 この26試合は115打数46安打で、打率はちょうど4割となった。開幕直後に胃潰瘍(かいよう)で故障者リスト入りしたが、今季の状態には手応えを感じている。「僕のこの感じは不思議じゃないでしょ。そもそも自分のやっていることが不思議に思えているようじゃもう終わっているよね。論外だね、レベルが低すぎる」。安打を欲しがることなく、量産できる状態にあるから、自然体でいられる。
 試合前のクラブハウスでは、グリフィーが近寄り「何か変わったことに気づかない?」とニヤリ。イチローのiPodを取り上げ、クラブハウスで流していたのだ。曲はミスター・チルドレンの「終わりなき旅」だった。「数字を超えたからといって、2年前の僕を本当に超えているか分からない」と言った。歌の歌詞同様、イチローは記録と向き合いながら、自分探しの旅を続けている。

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2009年6月4日のニュース