熱~い上原が5連勝呼んだ 4差離されん!

[ 2008年9月16日 06:00 ]

<横・巨>力投する上原

99年10月5日 ルーキー上原20勝も、“敬遠指令”に涙の抗議

 【巨人6―4横浜】気迫が行動に出た。2回、右越え三塁打を許した吉村が、巨人・木村拓の悪送球で一気に生還。本塁カバーに入った上原は杉永球審に「タッチしてる!」と猛抗議した。判定は覆らず、クロスプレーで右手親指からは出血。それでも集中力は切れなかった。しっかりと試合をつくりチームを今季初の5連勝に導いた。
 先発復帰後最長の7回1/3を投げ5安打4失点(自責2)。疲れが出た8回に3点を失ったが、7回までは2安打の快投。3回は3者連続で空振り三振を奪った。中盤以降はビジョンで放映されるリプレーでフォームをチェック。ここ数試合、フォームがしっくりこない時は走者がいなくてもセットポジションで投球していたが、この日はなかった。直球、フォークの切れも戻り、ストライクが先行。「少しずつ調子は上がっていると思う」と手応えを口にした。
 チームは最多の貯金18。首位・阪神との4ゲーム差も守った。原監督は「メリハリが利いていて、制球も本来のものが出た」と評価。6回に右翼に場外弾、守備でも好リードで上原を引っ張った阿部も「今年一番、よかったと思う」と笑顔で語った。
 今季は抑えから先発に復帰しながら不調での2軍落ちや、中継ぎ降格の屈辱も味わった。周囲に思わず「年齢的な衰えが自分にも来るとは思わなかった」と漏らしたこともあった。
 だが、苦しみ抜いたエースはようやく本来の姿を取り戻しつつある。次回登板は逆転Vへの天王山となる21日の阪神戦(東京ドーム)が濃厚。8回終了後、上原はすぐにトレーナー室に向かい、治療に専念した。虎を“捕獲”するための準備にぬかりはない。

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2008年9月16日のニュース