王監督猛抗議にナイン燃えた 一丸勝利

[ 2008年7月9日 06:00 ]

<西武・ソフトバンク>7回、走塁妨害を訴えて津川主審にしつように抗議する王監督

 【ソフトバンク5―2西武】こんな試合は負けるわけにはいかない。指揮官のワナワナと身を震わせるほどの猛抗議にナインが奮起。首位・西武を粉砕した。

 「選手はなんとかしようとして点を取られないようにするものだが、審判があれで走塁妨害を取らないのはね。ああいうプレーは見たくない」
 試合後も興奮冷めやらぬ様子で話す王監督の声はかれていた。場面は7回だ。2死一塁から中西の左越え二塁打で代走の明石が本塁を突いたが、スライディングの際、ベースに触れられずタッチアウトとなった。指揮官はすかさずベンチを飛び出して球審に詰め寄ると、相手捕手・細川の走塁妨害を訴えた。4人の審判団に囲まれながら大きく目を見開き、声を荒らげた。アグリーメントで定められた退場ぎりぎりの5分間を使って猛抗議。勝利への執念を見せた。
 「世界中のテレビ局に頼んできょうのVTRを流してほしい。日本の審判があれを取らないから細川がああいうプレーをするんだ」。指揮官の必死な姿にナイン、そして杉内が応えた。左腕は監督の抗議後はさらにギアチェンジ。終盤4回は3者凡退で9回に142キロをマークするなど、最後まで球威は衰えなかった。リーグ単独トップの7完投で7勝目を挙げて「(監督の)気合が伝わってきた。きょうの勝ちは大きいね」。チームとしても12試合ぶりに先発投手に勝ち星がついた。
 交流戦後、初の連勝でチームは3位タイ。ケガ人を抱えているものの、打線もつながりを見せ始めた。「打つ方も投げる方もそれなりの仕事をした。こういう試合を続けていかないと」。勝負はこれからだ。王監督は最後まで厳しい表情を崩さず、球場を後にした。

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2008年7月9日のニュース