星野監督 上原メジャー行きバックアップ

[ 2008年6月27日 06:00 ]

メディカルチェックを終え、引き上げる巨人・上原

 北京五輪に出場する日本代表の星野仙一監督(61)ら首脳陣と最終候補39選手のうち25人は26日、東京・北区の国立スポーツ科学センターでメディカルチェックなどを行った。不動のストッパーとして最終候補に入れた巨人・上原浩治投手(33)について星野監督は同投手のメジャー挑戦を後押しする考えを示した。星野ジャパンは夢を追い求める者のためにも金メダルを狙う。上原は27日の広島戦で出場選手登録される。

 最後まで上原にこだわったのには深い理由があった。この日、言葉を交わすシーンはなく、星野監督は「上原も来とったのか」と話すにとどまった。だが、その胸の内には闘将ならではの親心が隠されていた。
 「上原はメジャーのことも考えて、北京は今季前半の不振を取り返すいいタイミングになる。そういう意味からも頑張ってもらいたいんや」
 最終候補を決めた19日のスタッフ会議。自ら携帯電話をかけ、2軍調整中だった右腕の状態を確かめた。昨年12月のアジア予選(台湾)、韓国戦と台湾戦の最終回に見せた完ぺきな投球。その姿にほれ込んで「投げられるなら決まりや」と“北京内定”を出したが、指揮官は五輪の後まで見据えていた。日本球界を代表するメンバーが集まる星野ジャパン。誰もが五輪を最終目標としているわけではない。19歳の楽天・田中を残したのも、日本球界の未来のためだ。上原についても同じだった。
 先発復帰した今季の開幕直後、上原は今オフのメジャー挑戦を宣言。ところが思いもよらぬ不調から2軍落ちした。同時にメジャー球団の評価も下落。「今のままなら(メジャーからいい)オファーが来ないかもしれん。そういうところも見とるんや」。若い選手の応援団長を自任する星野監督にとって、夢を見る選手に若手もベテランもなかった。
 交流戦後に1軍に合流した上原は長いイニングも可能なスーパーリリーフとして復帰する。出場選手登録、即登板の可能性もある27日の広島戦。そのマウンドはリーグ連覇に加え、北京とメジャーという2つの夢へ向けた再出発となる。星野監督はその“門出”を全力で後押ししていく。

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2008年6月27日のニュース