オリックス 巻き返しのカギは笑顔と手帳

[ 2008年6月17日 07:26 ]

 前任者にはなかった明るい雰囲気を持っている。「いつもドキドキしている。一つ一つ勝つだけです」。オリックスの大石大二郎監督代行は、責任の重みを包み隠さず口にする。コリンズ前監督の突然の辞任で、ヘッドコーチから昇格して急きょ指揮を執ることになった。

 1981年にドラフト2位で近鉄(現オリックス)に入団。166センチと小柄ながらも、翌年に新人王を獲得するなど俊足を生かして存在感を発揮した。17年間プレーし、盗塁王を4度も獲得し、ベストナインに3度輝いた。ゴールデングラブ賞も82年から3年連続で受賞し、現役引退後はオリックス2軍のサーパスで監督も務めた。
 立場は変わっても、選手と接する時の姿勢は変わらない。現役時代に「大ちゃん」の愛称で呼ばれた親しみやすさは、周囲に好影響を与えている。チーム内のムードの変化について、選手会長の北川は「そっち(報道陣)が勝手にコリンズ前監督に気を使って暗くなっていただけでしょ。ノーコメントです」と言って笑わす。
 毎試合が緊張の連続の大石監督代行にとって、試合中に手放せないのが相手の情報を記した手帳だ。近鉄といえば豪快な「いてまえ打線」だったが「“いてまえ”はそんなに好きじゃなかった。イケイケの中でも、作戦を織り込んだものが欲しい」と言い、大胆さの中にも走塁面などでの緻密さを求めている。
 睡眠時間は減り、大好きなたばこの量は増えた。それでも常に笑顔でいることで、選手たちの力をうまく引き出し、チームをもり立てている。

 ◆大石 大二郎(おおいし・だいじろう)亜大から81年にドラフト2位で近鉄(現オリックス)に入団。盗塁王に4度輝くなど俊足を武器に活躍。コリンズ前監督の辞任で監督代行に就任。166センチ、72キロ。49歳。静岡県出身。

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2008年6月17日のニュース