陽仲寿 成瀬からうれしいプロ1号

[ 2008年4月30日 06:00 ]

<ロッテ・日本ハム>7回1死、左越え本塁打を打った陽(右)は清水一塁ベースコーチの出迎えを受ける

 【日本ハム3―2ロッテ】記念すべきプロ1号は球界を代表する左腕からだった。1点リードの7回。陽仲寿(ヨウ・チョンソ)の打球は左中間へライナーで突き刺さった。

 「やっと打てたね。うれしい。体勢を崩してもシンに当たった。前回チェンジアップでやられたのでそれを待っていた。左中間を抜けるかなと思ったら入った」。台湾出身のプロ3年目。17打席連続無安打を豪快に脱出し、彫りの深いモデル顔をくしゃくしゃにした。
 北京五輪で星野ジャパンの主戦となることが確実な成瀬からの一発に陽仲寿は「いい投手から打ててうれしい」。自身も昨年12月の北京五輪アジア予選では母国・台湾代表の一員として出場。3月の世界最終予選はチームを優先して辞退したが台湾は五輪出場権を獲得した。近日中にも発表される台湾代表候補に名を連ねる可能性は高い。本人も「球団と相談しながら」としながら「あの大舞台で自分もプレーしたい気持ちはある」と北京本番を見据えている。
 今季は打撃フォーム改造に着手。スタンスの足の幅を狭めて、構えたグリップの位置も後ろにした。よりバットが出やすい形を追求し「タイミングが取りやすく、リラックスして打てる」。なかなか結果につながらなかったが、待望の1号が出たことで吹っ切れた。
 課題の守備でも本職の遊撃ではない三塁でも好守を披露。「チームに貢献できて良かった」と21歳は初々しく笑った。若き力で連敗脱出。球団の未来は明るい。

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2008年4月30日のニュース