「手を抜いて」イチロー大記録抜く

[ 2008年2月22日 06:00 ]

キャンプ初日の練習を終え、報道陣の取材に応じるマリナーズのイチロ

 マリナーズのイチロー外野手(34)が20日(日本時間21日)、キャンプ初日を迎えた。フリー打撃では46スイング中3連発を含むサク越え10本。肩の力を抜いた柔軟なスイング。力がより効率的に打球に伝わった。

 「100は出したくないと思ってますね。7か8(割)で勝負したいと思っているところがこれまでと違う。ちょっと手を抜いたろうかな」
 技術的な確信がゆとりを生む。昨季後半、ベースからスパイク1足分離れて立つことで厳しい内角攻めにも対応できるようになり、外角へも思い切り踏み込めるようになった。イチローは今季からテーマ曲を変えると明かした上で「どこのタイミングで(打席に)入っていくのがきれいかとか考える」と笑みを浮かべた。苦しみもがくイメージはない。
 今季は大記録達成が懸かる。残り130安打で日米通算3000安打、そして215本で張本勲氏(本紙評論家)が持つ日本歴代1位の3085安打に並ぶ。「やりたいというか、やんなきゃいけないと思っています。張本さんに“喝”を入れられるとしたらそれを抜いた時だと思っている」。過去7年間の1シーズン平均安打は227本。過剰に意識する必要はない。
 チームもエース左腕ビダードを獲得し、戦力は充実した。「(現場とフロントが)1つになった」と語ると、選手が平常心で練習をこなしたことも「静かに入っていきましたよね」と喜んだ。個人記録だけでなく、チームの世界一へ向けたイチローの08年が始まった。

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2008年2月22日のニュース