星野ジャパン“秘密兵器”に中田

[ 2008年1月23日 06:00 ]

この日が誕生日の星野野球日本代表監督は「バスースデーカレー」に満面の笑み

 星野ジャパンが怪物ルーキーにほれ込んだ。北京五輪に出場する日本代表・星野仙一監督(61)が22日、日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)を代表候補に入れる考えを明らかにした。プロでの実績はゼロでも潜在能力を高く評価しての判断で、3月選出の1次候補に加える方針だ。前半戦の活躍次第では、北京五輪で金メダル獲得を狙う星野ジャパンの“秘密兵器”となる可能性が出てきた。

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 バースデーを祝う言葉にうれしくなったからではない。その能力を評価すればこそだ。この日61歳の誕生日を迎えた闘将の目には、18歳の若武者がたくましく、そして初々しく映っていた。
 「10年、20年に1人の逸材。投手としてはそこそこやが、打者としてはオリンピック候補や。候補として見とるよ」
 怪物ルーキーの星野ジャパン入り。それが現実味を帯びてくる言葉だ。8月の北京五輪へ向け、3月に1次候補を選出する。昨年12月のアジア予選(台湾)のメンバーを中心に60人前後を予定しているが、星野監督は「60人と決まっとるわけじゃないんだから、そこへ(中田を)入れておけばいいことや」と明言。プロの実績ゼロでも、代表候補入りの障害にはならないとの考えを示した。
 一昨年夏の甲子園、早実・斎藤(現早大)とともに大阪桐蔭・中田に注目していた。将来性を感じさせる高い潜在能力。代表監督就任直後の昨年1月に「斎藤も中田も候補や」とした。そこには「プロだけやない。日本球界全体を盛り上げないかん」という思いもあった。あれから1年。中田は着実に成長しプロへ進んできたからこそ、星野ジャパンとして門戸を開いた。「あのスイングスピードと飛距離があれば(プロの)ストレートにも対応できる。あとは内角をどう見分けられるかや」と分析。その上で「でも、2軍じゃ育たない。オレなら使い続ける。(中日監督時代の)立浪も(福留)孝介もそうや。あのONも川上さんが我慢して使い続けたんや」と梨田監督には注文をつけた。
 星野監督は2月9日には日本ハムの名護キャンプを視察予定。さらにダルビッシュVS成瀬の“星野ジャパン対決”が期待される3月20日開幕戦(札幌ドーム)へ足を運び、両エースの状態とともに中田の力量も確かめる方針だ。過去、高卒1年目で五輪出場は96年アトランタの福留(当時日本生命)だけ。史上2人目のチャンスが出てきた中田は「凄くうれしい。選ばれたら最高ですね。北京五輪?日の丸を背負うってことはやばいっしょ。それが実現するよう最善を尽くします。(キャンプ視察のときは)めちゃ頑張らないと」と素直に喜んだ。
 星野監督は、そんな若武者の目の輝きが金メダル獲得への大きな戦力となると信じている。

 ≪由規、田中の招集にも興味≫星野監督は中田と同じルーキー、ヤクルト・由規(仙台育英)、さらには2年目の楽天・田中の招集にも興味を示した。田中には「高卒1年目で11勝はすごいこと。昨年はダルビッシュや涌井、成瀬がいたから最後は候補から外れたが、もちろん可能性はあるよ」。ケガや慢心が最大の敵と指摘しながら「球界全体にライバルをつくって、突き抜けるような存在になってほしい」と期待を寄せた。由規についても「泣いたっていいじゃない。ピッチャーは感受性が強い方がいい」と成長を楽しみにしていた。

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2008年1月23日のニュース