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五輪選手はラマダン例外?断食では体持たず 試合前後は飲食へ

[ 2012年7月19日 09:11 ]

 イスラム教徒が日中、一切の飲食を断って信仰を深めるラマダン(断食月)が20日ごろから始まる。

 27日から8月12日まで開かれるロンドン五輪は全期間がラマダン中。だが断食しては体も持たないため、五輪選手の多くは例外規定をよりどころに通常の飲食で勝負に臨むようだ。

 ラマダンでは日の出から日没まで食事はもちろん水分もご法度。中東の主要地域では現在、日が出ている時間が朝4時ごろから夜7時ごろまでと長いが、緯度が高いロンドンはそれ以上になる。今年のラマダンは夏本番と重なり、体への負担は例年以上に大きい。

 イスラム教では、断食の除外対象として旅行者、戦場の兵士、健康に危険がある場合などを例示している。だが統一見解を示す世界的な組織はなく、最終的には各選手の判断に委ねられる。

 エジプトのイスラム教最高権威アリ・ゴマー師は、ロンドン五輪に参加している選手は旅行中に当たり、日中も飲食が許されるとのファトワ(宗教見解)を出した。

 アラビア半島のカタールから初の女性選手として射撃に出場するバヒヤ・ハマドさん(20)は「旅行者として断食は免除されると考え、コーチと話して試合の前後は飲食すると決めた。でも休みの日はきちんと断食するつもり」と話した。

 英BBC放送によると、国際オリンピック委員会(IOC)は今大会終了後、将来の五輪がラマダンと重ならないよう配慮する可能性を検討するという。(共同)

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2012年7月19日のニュース