性別騒動ボクサー ネットの嫌がらせ書き込みで告訴状提出 弁護士「女性蔑視、人種差別、性差別的」
パリ五輪ボクシング女子での性別をめぐる騒動の渦中にいたイマネ・ヘリフ(25=アルジェリア)が、ネット上の書き込みで嫌がらせを受けたとして、フランスで告訴状を提出したと、同選手の弁護士が11日、発表した。
ヘリフは9日の女子66キロ級決勝で、昨年の世界選手権優勝の楊柳(32=中国)を5―0で破り、金メダルを獲得した。同国のボクシングでは、96年アトランタ五輪男子ライト級のホシネ・ソルタニ以来、28年ぶりの金メダルとなった。
昨年の世界選手権で行われた検査でテストステロンの数値が男性並みだったとして、大会途中で失格となっていた。にもかかわらず、今大会には出場資格を与えられたため、物議に。初戦で対戦したイタリア選手が開始46秒で棄権したのを機に、性別騒動が巻き起こった。ネット上にも否定的な書き込みが世界中から届いていた。
弁護士によると、ヘリフは9日、悪質なサイバーハラスメントに遭ったとして、パリ検察庁のオンラインヘイトスピーチ対策部署に告訴状を提出した。弁護士は「女性蔑視、人種差別、性差別的な運動を受けた」とした。
捜査が開始されるかどうかは、検察側の判断になる。フランスの国内法では、告訴状に容疑者の名前は挙げられておらず、責任を負う人物が誰になるかは捜査官に委ねられる。
今大会の性別騒動をめぐっては、ヘリフとともに世界選手権で同じ理由で失格となったリン・ユーチン(28=台湾)も57キロ級で出場し、金メダルを獲得している。
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