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重岡兄弟 史上初同日同級世界王座獲得!“無敗継続”弟・銀次朗「この階級で自分は1番だと証明したい」

[ 2023年4月17日 04:30 ]

IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦   〇重岡銀次朗 KO9回2分55秒 レネ・マーク・クアルト● ( 2023年4月16日    東京・代々木第2体育館 )

4回、クアルト(左)に強烈な右フックを見舞う重岡銀(撮影・島崎忠彦)
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 重岡兄弟がダブルKOで史上初同階級での兄弟同日世界王座獲得を成し遂げた。IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦で同級4位の重岡銀次朗(23=ワタナベ)が9回KO勝ちで初の世界王座を奪取。バトンを受け取った兄・優大(26=同)もWBC同級暫定王座決定戦で7回KO勝ちし、亀田興毅、大毅、和毅と井上尚弥、拓真に次ぎ、日本3組目の兄弟世界王者となった。

 宣言通りの「KO決着」だった。9回、左ボディーでこの回2度目のダウンを奪った銀次朗はコーナーで両手を広げて天を仰いだ。「小さい頃から世界のベルトを夢見て兄貴と頑張ってきた。めちゃくちゃうれしい」

 1回、いきなりダウンを喫するも4回からはジャブで流れを引き戻した。15日の前日計量後、「(兄・優大より)僕が先に出るので、いい結果でつなげたい」と話していた通りの形でメインの優大にバトンをつないだ。

 この日で熊本地震の本震発生から7年。熊本・開新高に通っていた銀次朗も市内の自宅で被災。「何が何でも世界を獲って、熊本の人々に笑顔を届けたかった。今はホッとしています」。身長1メートル53・5の小さな体で、故郷にこれ以上ない恩返しを果たした。

 1月6日、試合途中に相手王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)がバッティングによる試合続行不可能を訴えた無念の世界戦からこの日で100日。その正規王者バラダレスと90~120日以内での“因縁の再戦”が現実的となった。「3150FIGHT」の深町マネジャーは、8月11日次回興行で正規王者との兄弟ダブル統一戦に自信を見せた。

 「この階級で自分は1番だと証明したい。公平な試合ができればいい」と銀次朗。プロアマ通じて“無敗”の男はこれからも勝利のみを追い求める。

 ▼クアルト 減量で大幅に体重を減らさなくてはならなかったのが響いた。2回ぐらいKOできるチャンスもあったのだが、今回はそこ(で倒せなかったこと)に尽きる。

 ≪VTS適用でダウン→スリップ判定に≫今回採用されたビデオ判定「ビデオ・テスティング・システム(VTS)」が重岡銀―クアルト戦で適用された。6回に重岡銀と交錯したクアルトがキャンバスに膝をついたシーンで、中村勝彦レフェリーはダウンを宣告したが、すぐにVTSを要請して確認。スリップ判定に変わった。また、9回にもクアルトのバッティングを巡りVTSで確認が行われた。ボクシング界ではWBCが08年からインスタントリプレーを導入。日本での世界戦でも採用されていたが、IBFはルール化していなかった。

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