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東京五輪金メダリスト入江聖奈、全日本2連覇で“有終の美”飾る「凄く幸せな9分間」

[ 2022年11月27日 11:34 ]

<全日本ボクシング選手権>女子フェザー級決勝・相手を圧倒して優勝した入江(左)=撮影・篠原岳夫)
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 アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は27日、東京・墨田区総合体育館で女子6階級、男子11階級の決勝が行われ、女子フェザー級(57キロ以下)では東京五輪金メダリストの入江聖奈(日体大)は1学年後輩の吉澤颯希(さつき、日体大)との同門対決を判定で制し、2連覇を達成。現役最後の大会で有終の美を飾った。

 1回は距離をとり、得意の左ジャブを突いて主導権を握り、踏み込んでの右ストレート、左ボディーを的確にヒットさせた。2回は圧力を強めた吉澤と接近戦に応じ、強打自慢の後輩に地力の違いを見せつけ、2度スタンディングダウンを奪う。現役最後のラウンドも打ち合い。被弾する場面もあったが、ダウンを一つ追加して5―0で完勝した。

 決勝後のメダルセレモニーでは「凄く幸せな9分間を送れた。パリ五輪を目指す後輩、颯希と最後まで気持ちよく打ち合うことができた。ボクサーらしく打ち合いで終わりたいと思った。ポイント取られたのは反省だが、満足です」と笑顔。今後の夢、目標は2つあるとし、「個人的な目標は大学院に進んでカエルの研究、良き“カエル人”になりますように精進しますので、SNSを見てください」と話してから「女子ボクシングはいま、いい波がきていて、凄く強くて面白い選手がたくさんいるので応援よろしくお願いします」とアピールした。

 卒業後は大好きなカエルを研究するため、東京農工大大学院に進学する。最後の国際大会となった今月上旬のアジア選手権(ヨルダン)は準優勝。久しぶりに敗戦を味わい、「切り替えてゲームをしようと思ったけど、涙が出ちゃってできなかった」ほど悔しかったものの、大学限りで引退する意思は変わらなかった。前日26日の準決勝後には「卒業式みたいな、寂しさもありながら、次の道に進める希望もあり、よく分からない気持ち」と心境を明かし、後輩との一戦に向けて「(吉澤)颯希はパリ五輪も狙っている選手だと思うので、後輩へのバトンタッチをしっかりして、先輩っぽく試合したい。フェザー級を継いでもらわないといけないので。試合の中で伝えれるものは伝えて、でも、勝ちは譲らずに有終の美でいきたいと思います」を決意表明。宣言通りの結果で14年間のボクシング人生にピリオドを打った。

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