×

加納陸は「底上げしないと」 決定戦でWBOAPフライ級王座を獲得も防御を反省

[ 2022年9月3日 22:55 ]

WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦で井上夕雅(右)を判定で下した加納陸
Photo By スポニチ

 プロボクシングWBOアジアパシフィック(AP)フライ級王座決定戦が3日、エディオンアリーナ大阪第2競技場であり、同級2位の加納陸(24=大成)が同級5位の井上夕雅(23=真正)を12回判定3―0(116―112、115―113×2)で下し、転級2戦目で同王座を獲得した。

 序盤から激しく打ち合い、鼻血を出し、顔には無数の傷がある。勝利後のリングで「相手は気持ちが強い選手。その気持ちに、のまれないように向かっていった。これまでの勝ちも負けもいい経験。それが今回の勝利につながった」。過去に東洋太平洋ミニマム級暫定王座、WBOAPライトフライ級王座を獲得し、世界挑戦もしている。その経験の差を勝因に挙げた。

 序盤は日本フライ級4位でユース王座も保持する相手の勢いにやや押され気味。右ジャブと左ストレートをヒットしても、相手はかまわず前進して右ボディー、左アッパーからの右ストレートなどで攻勢をかける。中盤あたりで相手の手数がやや減り、加納は逆襲開始。ワンツーや左ダブルなど確実にヒットを重ねてジャッジの支持をたぐり寄せた。

 被弾が多かった内容について「ディフェンスがまだまだ。少なからず成果もあるけど底上げしないと。効かないパンチでも、もらわないようにするのが課題」と反省する。現級でWBO世界5位につけ、今回の地域タイトル獲得でランキング的には世界再挑戦へ前進する。だが丸元大成会長は慎重な姿勢を示した。「今回が世界前哨戦のつもりだった。今後は分からない。(世界再挑戦のチャンスが巡ってきても)受けるかもしれないし、受けないかもしれない。もっとやりたいことがる。ディフェンスを強化しないといけない。本人が希望したフライ級で戦っている今は(世界再挑戦を)急ぐ必要がない。“ここや”というタイミングでやらせたい」と説明した。

続きを表示

2022年9月3日のニュース