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ボクサーと大工の二刀流・福永 突然決まった世界挑戦 井岡倒して新ヒーローになる!

[ 2021年12月22日 05:30 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ   王者・井岡一翔《12回戦》同級6位・福永亮次 ( 2021年12月31日    大田区総合体育館 )

“リトルパッキャオ”の異名を持つ福永はジムに飾ってある“本家”パッキャオの絵とツーショットで笑顔
Photo By スポニチ

 世界初挑戦の福永亮次(35=角海老宝石)が21日、都内の所属ジムで会見し、王者撃破を誓った。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の余波で来日が困難となったIBF王者ジェルウィン・アンカハス(29=フィリピン)の代役として巡ってきた大みそかのリング。プロボクサーと型枠大工の二足のわらじを履く福永は、一世一代の舞台で下克上を狙う。

 “かませ犬”では終わらない。試合を10日後に控えて会見に臨んだ福永は「ようやく実感が湧いてきた」と心境を語り、「記念マッチにするつもりはない。向こうは次への調整試合のつもりかもしれないけど、僕が全部つかみ取ってやろうと思っています」とベルト奪取を誓った。

 チャンスは突然やってきた。井岡が当初、計画されていたのはIBF王者アンカハスとの統一戦。だが、政府が外国人の新規入国を原則停止したことで中止。同じサウスポーで世界ランカーの福永に代役が巡ってきた。

 それを知らされたのは、型枠大工として働く現場だった。「10日ぐらい前だったかな。夢かなと思いましたよ」。普通なら即決するオファーだったが、一人親方として請け負った仕事の予定があったため、「ちょっと迷った」ものの、発注元の社長に相談し「ボクシングに専念して」の言葉に後押しされて決意。仕事の引き継ぎを終え、16日から朝夜2部練習を敢行し、急ピッチで仕上げている。

 その風貌と好戦的なスタイルで“リトルパッキャオ”の異名を持つ。本家パッキャオも建築現場で働いた経験があり、代役から大きく飛躍した。35歳4カ月で勝てば35歳0カ月でWBC世界フェザー級王者になった越本隆志を上回り、世界初奪取の国内最年長記録。15勝14KOと強打の挑戦者は「真っ向勝負。倒して勝ちたい。勝ったら、めっちゃヒーロー」と力を込めた。

 ◇福永 亮次(ふくなが・りょうじ)1986年(昭61)8月30日生まれ、大阪府高槻市出身の35歳。中学卒業後、15歳から型枠大工として働き、25歳でボクシングを始める。13年8月のプロデビュー戦は判定負けも16年に30歳で全日本スーパーフライ級新人王に輝き、20年2月、WBOアジアパシフィック同級王座、同12月に日本&東洋太平洋同級王座を獲得し、アジア3冠王者に。21年11月に東洋太平洋王座を返上した。身長1メートル68の左ボクサーファイター。

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2021年12月22日のニュース