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田中亮明「最高」銅 男子フライ級61年ぶりメダル 判定0-5完敗も「自分との闘いには勝てた」

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 ボクシング   ●田中亮明 判定 カルロ・パーラム〇 ( 2021年8月5日    両国国技館 )

<ボクシング男子フライ級準決勝>判定で敗れる田中(撮影・会津 智海)
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 男子フライ級準決勝で田中亮明(27=岐阜・中京高教)はカルロ・パーラム(23=フィリピン)に判定0―5で敗れ、銅メダルだった。決勝進出は逃したが、同級でのメダル獲得は1960年ローマ大会の田辺清以来61年ぶりの快挙。今大会の日本勢は女子を合わせ1大会最多となる3個のメダルを獲得した。

 信じたスタイルを貫いた。結果は19年世界選手権5位のパーラムに完敗だったが、田中は「最高っすね。気分は」と笑顔を見せ、「最高の気分を味わえたのはオリンピックがあったからこそ」と感謝の言葉を口にした。

 カウンターを得意としていたサウスポーは延期された1年で好戦的にスタイルを変更。今大会は1回戦から3戦連続でリオ五輪メダリストを撃破し、この日も前へ出続けた。

 「一歩も引かないことだけ決めていた。負けたけど、負けたとは思っていない。自分との闘いには勝てた」

 中京高時代は、現WBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)と同学年で同じ階級。4度対戦し、一度も勝つことができなかった。その井上や弟の恒成はプロへ進んだが、自身はアマチュアボクシングを極める道を選んだ。駒大卒業後は母校の教員となり、生徒を指導しながら競技を続けた。

 リオ五輪出場を逃した悔しさを糧につかんだ自国開催の五輪。田中はメダルの色よりも家族や生徒、応援してくれる人たちに「格好良い自分の姿を見せること」にこだわった。そして自身はプロで世界王者になった弟とは違う舞台で「最高の景色」を見た。

 ◇田中 亮明(たなか・りょうめい)1993年(平5)10月13日生まれ、岐阜県多治見市出身の27歳。中京高―駒大。5歳で空手を始め、07年に本格的にボクシング転向。高校3年時にフライ級で国体を初制覇し、ライトフライ級も含めて4連覇。全日本選手権は3度優勝。身長1メートル70の左ボクサーファイター。

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2021年8月6日のニュース