“元西武投手”相内「ボコボコにされた」…格闘技デビューも初回TKO負け
「RISE」横浜大会 ( 2021年2月28日 横浜アリーナ )
昨季限りでプロ野球界を引退した元西武投手の相内誠(26=フリー)はスーパーライト級(65キロ以下)3分×3ラウンドでDelgermuru拳信王(31=モンゴル/FLAT UP)と対戦し、1回2分5秒TKO負け。格闘技デビュー戦で屈辱の黒星を喫した。
マウンドからリングに戦いの舞台を替えた男に厳しい“洗礼”が待っていた。格闘技デビューはわずか125秒で終戦。相内は「ボコボコにされちゃいました。すっごく痛かったです。試合前はそれほど緊張はしなかったけど、リングに入った瞬間に味わったことがないものがドッと来た」と声を絞り出した。
思い描いていた展開とは全く違った。序盤は距離をとる作戦だったが、開始から数秒で拳信王のペースに引き込まれた。強烈な左ミドルキックをボディーにもらいダウン。さらに左ストレートを顔面に浴びて「記憶が飛んだ」と2度目のダウン。無意識に立ち上がったが、反撃できない状態で連打を浴び、レフェリーが試合を止めた。
高い潜在能力を秘めながらトラブル続きで1勝もできないままプロ野球を引退。新たな世界に飛び込んだ。「甘い世界じゃないことは分かっていた」という相内だが、プロ3勝5敗、10年以上も白星から遠ざかっていた拳信王になすすべもなく完敗した現実は受け入れるしかない。
「課題はディフェンスとスタミナ。中途半端な気持ちでやってきたわけではないけど、もっと時間をかけて取り組まないといけないと感じました」
ガウンやトランクスのスポンサーになってくれたのは西武時代に縁があった企業や知人たち。試合前には旧チームメートからもメッセージが届いた。白星を届けることはできなかったが、これが始まり。相内は「本当に悔しい。はい上がってやろうという気持ちになりました」と再起を誓った。
◆相内 誠(あいうち・まこと)1994年(平6)7月23日生まれ、千葉県富津市出身の26歳。千葉国際高時代は「房総のダルビッシュ」の異名を取り、12年ドラフト2位で西武入団。プロ通算成績は21試合で0勝7敗、防御率10・05。14~17年の登録名は「誠」だった。1メートル85。
《プロ野球から格闘技に転身した選手のデビュー戦》
☆ジャイアント馬場(巨人→日本プロレス)1960年9月30日、田中米太郎とのシングルで対戦し、股裂きでギブアップ勝ち。
☆立川隆史(ロッテ、阪神→K―1)07年8月16日、閻文凱(中国)に判定勝ち。
☆古木克明(横浜、オリックス→新格闘技団体スマッシュ)10年12月31日の「Dynamite!!」でアンディ・オロゴン(ナイジェリア)と対戦し、判定負け。