×

日本Sフライ級王者・奥本、6回KOで3度目防衛 最後は左ストレート3連発「相手の血を見て燃えた」

[ 2019年8月4日 19:53 ]

6回KOで日本王座3度目の防衛に成功した奥本(中央)と本石会長(左)
Photo By スポニチ

 ボクシングの日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦が4日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場であり、王者の奥本貴之(27=グリーンツダ)が同級8位の挑戦者ダイナミック健次(28=大鵬)を6回KOで下し、3度目の防衛に成功した。

 勝利後のリング。「おいしいビールを飲んで帰ってください」。ちょっぴり遠慮しながら、矢沢永吉がコンサートの締めに発するフレーズを用いて、声援を送ってくれた観客に感謝した。“遠慮”の理由は挑戦者が入場テーマに永ちゃんの「止まらないHa~Ha」を使用していたから。

 そういう茶目っ気を出したくなるのも無理はない。初防衛は判定1―1のドロー、2度目は判定2―0、3度目にして初めてスッキリした形で防衛に成功した。

 初回から圧倒した。右構えの挑戦者に対し、いきなりの左を当て、右へ回り込んで連打する。さらに左ストレートを上下に打ち分けながら連打するなど一方的な展開。5回までダウンシーンこそないものの、同回終了時の公開採点は3者とも50―45のフルマーク。そして6回に相手が偶然のバッティングで右眉付近から流血。これでスイッチが入ったかのように攻勢を強めた。最後は左ストレートを3連打。仰向けに倒した。「前回(2度目の防衛戦)は自分が血を流して燃えたけど、今回は相手の血を見て燃えました」。“3度目の正直”でKO防衛し、飛び出した軽口に喜びがにじんだ。

 IBF世界同級で15位にランクしている。それでも本石会長は世界挑戦に慎重な姿勢だ。「まだまだ。日本で敵なし、というぐらいにならないと。世界のステージは遠い。まだ成長できる余地がある。期待の裏返しです」。さらに防衛を重ね、力を蓄えさせる方針。本人も「一歩一歩、頑張る。目の前の目標をクリアしていく」と異存はない。年内に4度目の防衛を狙うことになりそうだ。

 また、同じ興行で前日本ウエルター級王者の矢田良太(30=グリーンツダ)はインドネシア選手に4回KO勝ち。今年4月の王座陥落から再起した。

続きを表示

2019年8月4日のニュース