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細川バレンタイン 新王者に 9年ぶり再戦「いつも飲みの場では勝っている リングでも負けられないと」

[ 2017年12月14日 22:05 ]

親友同士で戦った細川バレンタイン(左)と麻生興一
Photo By スポニチ

 ボクシングの日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦は14日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者の同級6位・細川バレンタイン(36=角海老宝石)が王者・麻生興一(31=三迫)に3―0で判定勝ちして新王者となった。3度目の日本王座挑戦を実らせた細川は31戦22勝(9KO)6敗3分け。今年2月に3度目の挑戦で獲得した王座の2度目の防衛に失敗した麻生は31戦22勝(15KO)8敗1分け。

 両者は2008年の東日本ライト級新人王決勝で対戦。結果は引き分けながら優勢点で上回った細川が勝者扱いとなり、全日本新人王も制した。その後、一緒に飲みに行くなど仲良くなった2人は、どちらかが王者になったら対戦しようと約束していたという。9年ぶりの再戦は、序盤から積極的に右を当てていった細川が試合を支配。麻生は3回にバッティングで左目上をカットし、流血戦となった。しかし、麻生が徐々に圧力を強め、5回には細川がヘッドバットで減点1を受けたこともあり、5回終了時の採点は三者三様のイーブンだった。

 後半も細川の右と麻生のワンツーが交錯し、もつれ合う展開が増えたが、ガードの上からでも右オーバーハンドを叩き込んだ細川の方がやや見栄えが良く、採点は96―95、95―94、95―94と全て1点差ながら細川の3―0。リング上で抱き合い、健闘を称えた細川は「興一にはいつも飲みの場では勝っているので、リングでも負けられないと思った」と話して笑いを誘った。

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ細川は宮崎生まれで、生後すぐにナイジェリアへ。7歳の時に来日し、宮崎の祖父母の家で15歳まで育てられた。試合後のリングには宮崎から駆けつけた祖母・フミ子さん(86)を招き入れ、一緒に記念撮影。「王者になったら家族をリングに上げないといけないと言われていた」と理由を説明した。昨年11月に2度目の日本王座挑戦に失敗し、今年、宮田ジムから角海老宝石ジムへ移籍。1月の試合後に開頭手術を受けて引退した奥村健太トレーナーの指導で、それまではさぼりがちだった早朝ロードワークにも励んでスタミナをつけてきたという。「初めて本当のプロボクサーになったと感じている」と感謝し、「麻生はガードが固いけど、打つところを探しているとやられる。ガードの上からでも殴れ、と言われていた。凄い疲れたけど、相手のパンチも見えたし、僕の方がクリーンなパンチを当てられていた」と分析した。

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2017年12月14日のニュース