尾川 大谷と同便帰国、ベルト巻き“どや!”「次もラスベガス」
ボクシングのIBF世界スーパーフェザー級新王者・尾川堅一(29=帝拳)が12日早朝、羽田空港着の航空機で米ラスベガスから凱旋帰国した。ロサンゼルスからは大リーグのエンゼルスに入団した大谷翔平と同便で、到着ロビーには獲得した真っ赤なベルトを腰に巻いて登場。ラスベガスでの初防衛戦を希望し、スーパーフェザー級の強豪たちと戦っていく意欲も示した。
ノリノリの尾川はリング外でも止められない。大谷の撮影を終えたテレビクルーの集団が去った直後、IBFのベルトを巻いたサングラス姿の新王者が姿を見せた。フラッシュの嵐の中を足早に通り過ぎた大谷とは対照的に、閑散とした到着ロビーで足を止め、満面どや顔でポーズ。「(パフォーマンスを)期待されていると思ったので」。大谷との同便は、到着後の騒ぎで初めて知ったという。
圧倒的不利の予想を覆して判定勝ち。米国で世界王座を獲得した日本人は81年の三原正以来36年ぶり5人目、ラスベガスでは初の快挙となった。今回が私生活を含めて初の海外だったが、「ラスベガスを経験したので(国内外)どっちでも戦える。(帝拳ジムの本田明彦)会長に“次もラスベガスでいいです”と言った」と“聖地”での連戦を希望。さらにWBC同級王者ベルチェルト、前王者バルガス、ローマン(以上メキシコ)と、ジムの先輩で元王者の三浦隆司氏(引退)と拳を交えた選手たちの名前を挙げ、「これから戦っていけたらいい。年に3試合こなせる強い体をつくって、来年は全勝全KOを期待してほしい」と言い切った。
単にノリがいいだけではない。出迎えた92歳の長野ハル・マネジャーには、世界王者として初のサインを記した現地プログラムを持参する気配り。試合直後にテレビ電話で話した長男・豹(ひょう)くん(4)には「実際のベルトを早く見せたい」と3児の父の顔をのぞかせた。それでも「大谷みたいに米国で注目される存在になりたい?」と問われると「もう(注目)されてますよ」。ニヤリと笑った。
▼王座獲得VTR 9日(日本時間10日)に米ネバダ州ラスベガスで行われたIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で、テビン・ファーマー(米国)に2―1で判定勝ち。手数が多くカウンターを当ててきた相手に対し、終始前へ出て圧力をかけ、鋭い踏み込みのワンツーで対抗。7、10回にはファーマーをぐらつかせた。採点はジャッジ1人が116―112でファーマー、残り2人は116―112と115―113で尾川を支持した。
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